仕事ができない人の典型的な特徴

黒坂岳央です。

色んな人と仕事をしてきて思うことは、「優秀な人は様々だが、その逆は共通のパターンがある」ということである。つまり、うまくいかない人はあらかじめ「うまくいかないパターン」が存在するため、事前にそこを回避すれば問題にならずに済むということである。

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1. 何でも自分でやろうとする

特徴1つ目はどんな仕事も自分でやろうとしてしまうということだ。これは本当によくある。

自分の親族に壊滅的にお金の管理ができない人物がいる。人となりは穏やかで優しく、非常に魅力的なのだがお金になるととことんだらしくない。誰にいくら貸しているか?毎月の収支は?ということをまったく把握できていない。調べてみると保険会社に勧められるままに、いくつもムダな保険に入らされていた。

人には向き・不向きがある。向いていないことまで無理に自分でやろうとしても一向に上達しない。上達しないから本人もストレスが貯まるし、本来集中するべき業務に割くべきリソースが枯渇するので成果になって現れない。

苦手なことは自分ではやらない方がいい。自分の場合、恥ずかしい話だが航空券や宿の予約はかなり苦手で、スケジュールが入り組むと往路と復路の目的地を逆に予約してしまったり、日付がズレたりとよくミスをする。だから苦手な事務処理はすべて妻に頼んでいる。その代わりに自分が得意なITやシステム周りの環境構築やフォローは自分が妻の代わりにするようにしている。

2. 情報処理ができない

仕事ができない人は総じて情報処理が苦手な人ばかりだ。

優先順位付けやホウレンソウはもちろん、現在どのタスクを抱えていて納期に間に合うかどうかなど周囲からすると一切のブラックボックスのまま淡々と仕事をしている。納期直前に泣きつかれてももはやタイムアウトで助けることもできない、ということが起こり得る。すべては適切な情報処理ができていないからだ。

こうしたタイプは効率的な仕事のテンプレを作成して、徹底してそれを守ることが肝要である。ホウレンソウはガッチリルール決めしたらそれを守る。タスクは必ず優先順位付けとその根拠をつけて上司に共有する。タスクの進捗報告を定期的に行う。

テンプレ通りに仕事をすれば、少なくともブラックボックス化は回避できるだろう。

3. 遅い

3つ目の特徴は「遅い」。これは、仕事中の一挙手一投足や意思決定などはもちろん、スキル不足によって物理的に動かす「手」も遅いことが多い。

正直、仕事で最も致命的なものは「遅さ」である。多少仕事が粗くても、ミスがあっても、出すのが速ければ周囲のフォローでなんとかなる。ミスを事前に防止する運用を考えるなど、手の打ちようがある。しかし、遅いとそれもできなくなってしまう。

だが、意識と創意工夫だけでも遅さはある程度改善が可能だ。たとえば、意思決定についていえば、問題の先送りをさせないようにするのだ。

自分自身、会社で働いている時に手を付けやすい仕事から始めて、重要度の高い仕事を出すのが遅くてよく叱られていた。そこで上司は「朝一番に今日やる仕事をToDoリストにしてオレに出して。見るから」というようになった。これをしてから格段に早くなった。なぜなら、優先順位が間違っていたらその場で指摘、修正を受けて、あるべき姿へ優先度を変えることができ、1日の内で何度か進捗共有をすることで上司のフォローも入るようになったからだ。仕事は劇的に早くなった。意思決定を改善するだけでも格段に仕事は速くなるのだ。

仕事ができない人は本稿で紹介した特徴の1つ、もしくは複数当てはまっていることで本来持っている実力を出しきれなかったり、周囲から肯定的な評価を得ることに失敗している事が多い。だが、生まれつきの才能だと開き直るのではなく、今からでもすぐ治療できる要素を見つけて今日から改善することが肝要であろう。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。