日本経済新聞が行った全国の保育サービスの需給変動調査によると、過去5年間で定員を拡大したうち4割以上が未利用となっているそうです。また、3割の自治体では利用者が減少しているということです。
日経新聞は「ニッポン死ね」とかいう言葉に踊らされたマスコミに責任はないと言い切れるのでしょうか。
保育園が余ることはだいぶ前から分かっていました。
小中学校のほうはすでに退出がかなり進んでいます。
需要を無視した計画は保育園だけではありません。
税金を無尽蔵に投入はできません。しかしわれわれはどうしても手段と目的を混同してしまいます。
確固としたエビデンスがあっても行政が補助金を配ると同じ過ちを繰り返すはずです。
ただし、供給不足も供給過剰も社会主義が原因だということに多くの人が気づくことはないのかもしれません。
日経新聞は「確かなエビデンス(根拠)に基づく政策づくりが根づかなければ国の傾きはとまらない」と行政がEBPM(根拠に基づいて政策の目標設定や効果検証)を行わないために発生したと分析していますが、マスコミがそのように仕向けたという側面を体よく忘れています。
政府は17年度末に待機児童をゼロにする目標を掲げるが、保育所の追加整備の財源の当てもない。1年あまりで待機児童をゼロにして、小さな子どもをもつ母親らの怒りや不安を解消するのは容易ではない。
参照:「保育園落ちた」ブログ波紋 日本経済新聞 2016年12月31日
結果として、安倍政権が保育所の増設を加速させるきっかけをつくった。しかし保育士が足りない状況はより深刻になっている。政権は10月の消費税増税による増収分の一部を保育・幼児教育の無償化に充てるが、待機児童対策としての効果ははっきりしない。
参照:保育園落ちた日本死ね 日本経済新聞 2019年1月19日