オリンピック直前に「19歳の飲酒・喫煙」という謎の行動

体操女子日本オリンピック代表の宮田笙子選手(写真)が、20歳未満での喫煙と飲酒行為が発覚し、パリ五輪代表を辞退したと発表されました。今回の報道で初めて知った選手ですが、体操界では圧倒的な実力を持つ方のようです。

宮田笙子選手インスタグラムより

この報道を聞いてまず不思議に思ったのは、なぜこれほどのオリンピック代表選手が競技直前に飲酒・喫煙するのかです。

オリンピックレベルのトップ選手ならば、ドーピングのようなリスクだけではなく、選手として守らなければ行けないルールについて、しつこいほど教育されているはずです。

また、本人も目標としていたオリンピック競技出場にマイナスとなるあらゆるリスクを排除しようと慎重な行動を取るのが自然です。19歳で喫煙・飲酒をすれば、どのような処分を受けるかは理解していたはずです。にも関わらず、なぜそんなリスクを取ってしまったのか?

そう考えると、今回の行動はとても不自然で不可解に感じます。ルールを破らざるを得なくなってしまう位の「見えない力」が働いたのではと邪推してしまいます。

代表辞退はとても残念ですが、処分で終わらせるのではなく、なぜこのような行動をすることになってしまったのかという経緯について、事実をしっかりと調査・公開して欲しいものです。。

飲酒・喫煙が事実とすれば、本人に非があるのは当然です。

しかし、今後はそもそものルールにも見直す余地があると思います。18歳で成人で選挙権付与に変わったのに、喫煙と飲酒は20歳からのままというのも理解しにくいルールです。そのルールに従って杓子定規に処分をするのも、過剰コンプライアンスと感じてしまいます。

納得しにくいルールを作り、決まったルールで物事を機械的に判断する。そして失敗を許容しない。

自分自身とは関係の無い世界の出来事ではありますが、事態を進めていくやり方については、個人的には何だか釈然しません。何とも後味の悪いニュースでした。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年7月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。