マーケットの急落は「相場の神様の選抜試験」

今週は金融マーケットが大混乱となりました。昨日の日経平均は1000円以上の下落となり、今まで相場を牽引してきた半導体関連などのテクノロジー関連株の調整が大きくなっています。

為替も本日は少し持ち直しましたが、ドル円で見ると、直近の最高値から10円以上の円高となっています(チャートはネットから)。

このような変動率の大きな相場になると、本物と偽物の違いがはっきりとしてきて、偽物のメッキが剥げていきます。

上昇相場に乗ってリスクを取りすぎの「ちょずいた」個人投資家は、相場が逆回転することで大きな損失を出し、マーケットから撤退していきます。

逆に、リスクコントロールをしながら分散投資を続ける「真っ当な」個人投資家は慌てることなく、下がったところで安く買い増しをすることができます。

マーケットの急落は「相場の神様の選抜試験」と考えればわかりやすいでしょう。

特定の銘柄に集中投資をしたり、タイミングを狙って高値掴みになったり、レバレッジをかけすぎてリスクを取りすぎている投資家。このような人たちが払い落とされていくのです。

資産運用とは、陸上に例えれば短距離走ではなくマラソンのようなものです。

オルカンだけに投資してきた人、FXにレバレッジをかけすぎた人、テック株に集中投資した人などは、残念ながらマラソンに出場している短距離走者と同じです。

長距離走の方法を知らない人たちは、マラソンの先頭集団に付いていけず、いずれ消えていきます。

10年単位の資産を守り増やす投資を続けていきたい人は、長期運用に必要な正しい知識を身に付け、リスクコントロールをしながら実践しなければなりません。

私が主宰する個人投資家コミュニティー資産設計実践会では、その具体的な方法を200人の受講生メンバーとシェアしながら実践しています。

我々のような長期投資家にとっては、今回のような下げ相場は資産を安く買えるチャンスです。

chachamal/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年7月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。