岸田首相が首相退任を表明しました。
岸田首相の最大の失政はアベノミクスを評価、継承すると断言したことです。アベノミクスがクズという認識でも党内力学を優先して清和会に媚びた可能性がありますが。
既に安倍首相が在任中ですらアベノミクスの失敗は明らかだった。だからこそ安倍元首相は任期を残して退任して、菅義偉に「被害担当艦」を押し付けて引き継がせた。ところがその後に及んでも多数派のメディアも国民のアベノミクスが失政だとは気が付かなかったわけです。
10年前と比べて暮らしが楽になりましたか?
将来に明るい展望が持てるようになりましたか?
10年前に比べて日本の経済力も個人の経済力も落ちているのは明白なのに、見てみないふりをしてきた。
ところが今年になってやっと潮目が変わってきて、アベノミクスによるインフレ、円安誘導が極めて危険であり、自分たちの生活を脅かしていると認識する人が増えた。
それでも岸田総理は安倍晋三よりはまともだったんですよ。
安倍は国債刷ればいくらでも軍拡ができるとかいって、国が滅ぼうと「強いリーダー」を演出して政権に返り咲こうとしていた。暗殺は肯定しませんが、安倍晋三がこの世から追放されて、ギリギリのところで我が国は命脈を保てた。
岸田首相は防衛費増額には財源が必要との認識でしたが、それも妥協して建設国債という借金軍拡を選んだ。
次の自民の総裁、首相が誰になるかはわかりません。個人的には石破さんには頑張っていただきたいと思います。これまで野党までがバラマキの大合唱でしたが、財政再建が必要だと認識に変わってくるでしょう。その点ではもっともまともな政策を発表しているのは幸福実現党です。
石破さんが首相になった場合、財政再建に取り組むときの試金石になるのが「ふるさと納税」でしょう。菅義偉が怖くて誰も手がつけられなかったこの官製脱税を廃止できなければ財政の立て直しは大変難しくなるでしょう。
【本日の市ヶ谷の噂】
陸自が米国へ共同演習のためのFTC(部隊訓練評価隊)を派遣した折り、米陸軍側から「こんな弱い部隊ではなく、一番強い部隊を連れてこい!」と酷評されたことがある、との噂。
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Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
海上自衛隊の潜水艦メーカーは2社も必要あるか川重の裏金問題で注目される潜水艦の実態
月刊軍事研究8月号に防衛省、自衛隊に航空医学の専門医がいないことを書きました。
軍事研究 2024年 08 月号
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年8月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。