宇山卓栄・松田学と自民総裁選と米国大統領選を語る

松田学チャンネルで、歴史家の宇山卓栄さんもまじえて三連発の鼎談をしました。今回はその第一回で、自民党総裁選挙、米国大統領選挙、世界情勢などを議論しました。

宇山さんの議論は陰謀論とは違うのですが、陰謀論なし、また、世界史的視野を持ってのものですが、超保守派です。

第三回に出てくると思いますが、フランス革命全面否定論者ですので、私がそれならアメリカ独立戦争や南北戦争の意義も否定すべきだといったら、「そのとおり」という過激な反応がかえってきました。

議論は動画を見ていただきたいのですが、チャンネルのほうで要約されていますので、それに少し手を入れて紹介しておきます。

保守系を代弁する宇山卓栄氏の発言に対して、八幡和郎氏が全く別の視点から茶々を入れる、そんな面白いやりとりの鼎談になりました。

大統領選TV討論については、ハリスは元々米国ではそこそこ人気がある人物だとする点で、八幡氏の見方は多くの保守系論者とは異なります。日本人と違って米国人にとってはインド人は美人!?(日本人はインド女性がなぜか苦手。だから、日本女性と結婚するインド男性は多いが、逆はすくないというのは、中国と反対です)

ただ、両氏ともトランプの突っ込み不足を指摘。確かに、経済や外交でもっと具体策を語ればトランプ圧勝だったのにと思います。

この失望感が今後に影響しないか…。

自民党総裁選については、確かに八幡氏が指摘するように、9人には石破氏と加藤氏を除くと留学組という共通の傾向がみられます。うち5人が米国の国益のために日本の指導者層を洗脳する場であるハーバード(ケネディスクール)留学組。

八幡氏によると、トランプとやりあえるのは茂木と林、いま決選投票に残ると見込まれている三人はいずれも×でした。

高市氏については歴史修正主義者とみられて米国のみならず、中国韓国との関係が心配なようで…。

宇山氏は、小泉氏が総理になるようでは、自民党は国民を舐めていると。

本当にそうだと思います。

ウクライナについては、両氏とも米英NATOの暴走に警告を発する点では共通でした。

賛否はともかく、こんな指摘もあるのかと、思わせる番組ですので、ぜひ、ご視聴いただければと思います。

以下は、発言のほんの一部です。詳細は動画をご覧ください。

八幡:ハリスが考えられる限り最高の成功だった。ハリスは米国では美人?西洋人の感覚では魅力的。やっていることはろくでもなかったが…。保守派は批判するが、元々、強くて、バイデンが出ない場合の候補としては、現実性のないミシェル・オバマはべつにすれば常に首位。

トランプはハリスより感じよく振舞えなかった。品の良い皮肉を言えたはずなのに。ハリスのいい加減なごまかしより、トランプの間違いが目立ってしまった。トランプファンを失望させた。平和と経済を具体的に打ち出すべきだった。

宇山:ハリスが勝ちだったとは思わない。引き分け。ハリスの抽象的で不正確なものの言い方。トランプも突っ込み不足。移民問題で追及できなかった。司会者はハリスの味方?犬猫の話でなく、犯罪、仕事を奪ったと詰めるべき。インフレも。得意は外交。自分なら具体的にどうウ戦争が起きなかったのかを言うべきだった。中東の停戦も具体的に言うべきだった。大統領選にこの討論はあまり影響を与えない。

八幡:ハリス失速は次の何かを待たないと、というところまで来たということ。トランプになろうという想定だったが、これからは五分五分を前提に議論すべき。トランプ相手なら茂木に実績がある。高市氏はハリスとの関係では、ちょっと変わった極右と取られる危険性。

宇山:日本の政府与党としての見方を聴いたら、ハリスが強いと。だが、間違うことが多い。まだ共和党の優勢は崩れていない。ペンシルベニアは共和党。不正選挙も変数として未知。

八幡:外交能力をみると、石破さん最低。英語がしゃべれない。加藤氏は外国に行ったことがない。他は米国留学組、うちハーバードが5人。その中で茂木と林に高い点数。外務大臣などのポストを経験。石破さんは海外から逃げる。心がけが悪い。2分でトランプから電話切られる。

石破氏は考え方が古い。ふるさと創生。小泉は何も分かっていない。石破は悠仁さまは決まっているといいつつ、将来の可能性としては、女系発言も。

みんな大したことを言っていない。衆院選はよくても、参院選の際に、小泉、石破では自民党はコケる。安倍後継で勝負できるのは小林。そこで高市を擁立。それで小林が上位2位には残らなくなった。石破、小泉、高市。麻生氏や岸田氏が石破に行く可能性は否定できない。石破と小泉がダメなのは厳しい海外折衝のポストを避けてきたこと。

宇山:小泉優勢と言われるが、派閥横断的で今までと違う。バラバラで読みにくい。1位に小泉が来ても2位に誰が来るのか。討論会になると小泉の政策能力のなさで離れていく可能性。ただ、菅さん後見人という安定感。

個人的に高市氏だと思うが、有能なブレーンがいない。前回総裁選のあとの対応もうまくない。永田町は温情政治の世界。支援の輪が広がっていない。ただ、料亭政治家からの脱却が必要。それを評価できる自民党であってほしい。

小泉が選択的夫婦別姓、何を言っているのか。世界に冠たる日本の戸籍制度は夫婦別姓が前提。戸籍を維持できなくなる。自分が何者か確認できなくなる、それで得をするのはなりすましの外国人。

八幡:トランプと交渉できるのは茂木か林。小泉は会話で相手を魅了するが、内容がないと。

宇山:シェイシェイ茂木だ。

八幡:米国と悪いわけではない。

ハリスだと高市は不安。歴史修正主義者と言われて、安倍さんのようにうまく切り返せるか。中国韓国からもハリスと髙市の間にくさびを打ち込もうとするだろう。支持者が右が多いので。危険性は考えておくべき。

宇山:岸田政権の総括を自民党はしていない。有権者はバカでない。また看板をかえて騙すと。国民を舐めている。

八幡:絶対ダメなのは石破。改憲(9条2項)は正論に見えても、公明党が賛成しない。あり得ない案で改憲自体を潰す。スパイがよくやる手。自衛隊の基地を米国で?米国が聞いたら…。

八幡:ウクライナ問題、単に弁護士的にウに非は無いと言っても解決にならない。ロシアに勝ったとしてもあろどうする?ナポレオンの時代からロシアの後進性を叩いては西側は失敗。収めどころをどうするかを考えるべし。ほどほどの所で収めないと。

ハマス戦争についてはパレスチナが100%正しい。南アフリカのように行くしか収まらない。

宇山:7/10にNATO首脳会談で決議、ウクライナのNATO加盟は不可逆的だと。もしそうなると第三次世界大戦に。脅しだと思うが、言葉遊びで危険な影響を世界に。さすがに米国も反対した経緯がある。NATO内で意見対立。NATOの暴走を米国が抑えられない。矛を収める機運がNATOにないのが大問題。ウによるクルスク侵攻にもNATOがバックに。

イスラエルの暴走をバイデン政権は抑えられない。ブリンケンも1月退任宣言をした。嫌気がさしている。停戦協議には国内から茶々が入っている。イスラエル側を増長させるような。交渉しても覆ることの繰り返し。交渉力など無い。

イランの動向。新政権、左派改革派。核合意の枠組みを再開し、経済制裁を解除したいと。トランプが再開というかどうかが未知数。

八幡:外交能力から言えば茂木か林で3人はいちばんダメ。

宇山:高市さんもウクライナ支援万歳と。それでは停戦にならない。国際情勢を根底から理解している人が候補者にいない。

動画の視聴者コメントをみると、トランプの優性は失われたとか、ハリスはかなり力があるとか、髙市氏は歴史修正主義者とみられないように注意したほうがいいとか、しごく当たり前の話を受け付けないというか、聞きたくない、嘘だという人が多いが、安倍さんはそういうところがなく、保守なのだがものを客観的に見られる人だった。安倍さんの死で保守が暴走しはじめたという皮肉。