自民党の政権公約では「基礎年金の受給額の底上げ」が掲げられています。これを実現するために、厚生年金の加入者を増やすということですが、厚生年金が国民年金の不足分に流用されてしまい、現役世代の負担がますます増まるからくりに疑問の声があがっています。
また、パート労働者が年収調整を行う原因となっている「年収の壁」も見直し、年金財政の改善につなげたいという意図なども示されています。
「基礎年金」の受給額底上げですがかなり問題があります。国民年金は高齢者が多く赤字が続いており、足りない分を厚生年金から補填されています。現状では足りなくなるためパートやアルバイト(週20時間以上)でも厚生年金に強制加入させて社会保険料を負担してもらうことになりました。ちなみに、年金は賦課方式という方式で運営され、徴収したその年の給付に使われてしまいます。
政府の公約は厚生年金加入者を増やすことで国民年金の破綻を防ごうとしていますが、根本的な解決にはなっていません。厚生年金を払っている現役世代はこの経緯がわかっているのでしょうか。
国民年金加入者は、基礎年金の総額24.5兆円のうちわずか3.3兆円しか負担しておらず、残りの大部分である18.7兆円は厚生年金加入者が負担しています。厚生労働省は厚生年金加入者の負担をさらに増やそうとしています。
「基礎年金」というワードにも狡猾なトリックが隠されています。「基礎年金」というのは架空の勘定科目で国民年金の赤字を補填するために厚生年金の資金を流用するためのものです。
新たに厚生年金に加入する労働者にとって負担増ですが、経営者にはまさに死活問題です。
国民年金を維持するため物価高の中でも現役世代の手取りを削っていきます。
現役世代にとっては実質増税ですがいまいち関心が高まりません。ある年齢以下の世代は搾取され続けてしまうのでしょうか。