第7世代の新型iPad miniは「買い」なのか?

黒坂岳央です。

10月15日、Appleは新しい第7世代のiPad miniを発表し、23日から販売開始となる。これまでビジネス用途で歴代のiPhone、iPad、iPad miniを使ってきた筆者の視点で、本機は買いかどうかを取り上げたい。

iPad mini apple HPより

第7世代のiPad mini

今回の第7世代は第6世代と比べて性能は全体的に向上している。

A15 BionicチップからA17 Proへとアップし、CPU性能が30%、グラフィック性能が25%向上。また、Neural Engineの処理速度は2倍に強化され、より高度な機械学習やAIの利用が可能となった。

そして最大の目玉はAppleの生成AI機能「Apple Intelligence」だろう。校正や要約、画像生成、Siriとのテキストでの会話など、より直感的な操作ができるようになる。ちなみにオンデバイス処理をベースにすることで、利用者の個人情報を収集せずに使える点も見逃せない。

一方でディスプレイサイズや重量などのハードウェアには変更がない。

第7世代は買いか?

今回の第7世代は2021年発売の第6世代から約3年ぶりの新モデルだ。結論からいえば、iPad miniを持っておらず興味を持っている人、または第5世代より古い機種を使っている人は買い。一方ですでに第6世代を持っている人は見送りでいいと考える。その根拠を下記の通り述べる。

まず今回の第7世代は価格が安い。すでにApple公式から第6世代のiPad miniは新品では買えない(認定整備済製品では置いている)が、AmazonのApple公式アカウントからは256GBのWiFiモデルで10万円を超えている。その一方で、第7世代は9万4800円という値付けとなっている。米国では価格据え置きだが、日本では安くなった。おそらく、価格決定時に円高トレンドだったことで少し値下げがされたのだろう。

正直、第6世代からの変更点はそれほど大きくはないと個人的に思う。全体的な性能のアップに加えて、Apple Intelligenceの搭載はあるものの、AIの実力はまだ未知数で、「即買い替え」となるほどの大幅変更に感じないユーザーは多いと予想する。加えてApple IntelligenceはiPhoneでも使用できる上、iPad miniを使うような人の多くはすでにiPhoneを持っているだろう。以上のことから第6世代のユーザーは見送りと考える。

一方でそれ以外の人でiPad miniをほしいと考える人には買いだろう。特に第5世代以前のminiユーザーはコネクターがUSB-Cになっているので周辺機器接続に便利だ。さらにすでに発売から5年以上経過しているので、バッテリーの持ちも気になるタイミングと考える。また、通常のiPadと比べてminiは200g台の超軽量で画面も大きく、出先のプチ仕事に大変便利だ。ちなみに世の中にはセルラーモデルのminiをiPhone代わりに使う「猛者」もいるそうだ。

昔は安物のAndroidタブレット端末を使っていた時期もあったが、途中からiPad一択になった。Androidはよく性能を見ないと、動きはカクカク、動作がモッサリして何かとストレスが溜まることも少なくない。その点、iPadは買って後悔することはほぼなかった(物理キーボード接続時にプリインストールIMEに強制変更されることくらい)。これを機にminiにデビューするのはいい選択肢だと思う。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。