これから湾岸タワマン狙うなら「アレ」か「ソレ」にしなさい

東京の湾岸部のタワーマンションの価格が引き続き上昇傾向にあります。

しかし、すべての物件が同じように値上がりしているわけではなく、価格上昇する物件にはいくつかの条件があるように思います。

まず供給戸数です。100戸未満のような小規模な物件よりも1000戸に近いような大規模物件の方が価格が上昇しやすい傾向があると言えます。

これは総戸数が多いとパーティールームなどの付帯設備が充実するからという側面もありますが、大規模開発の方がマンション購入者の間で話題になりやすく、知名度が上がるという面が大きいと思います。

マンション名を聞いただけで誰もが場所をイメージできる「アイコン物件」には価格にプレミアムが付いていくのです。

また、販売会社や施工会社がどこかも重要になります。

新興マンションデベロッパーよりも、大手の財閥系デベロッパーが手掛け、施工も大手ゼネコンというような物件の方が、価格面では割高であっても買い手には安心感があるから好まれます。

このような条件を満たす都心3区の駅近物件になると、今や中古物件でも坪単価が1000万円を超えるものも出てきています。

ところが、山手線の外側で最寄り駅から徒歩10分以上離れている新築物件の中には、大手が手掛ける大規模物件で割安感があるものもあります。

現在、売り出している物件では、勝どきの隣町にある「アレ」や、品川駅から徒歩で行ける「ソレ」が該当します。

これからタワーマンションを狙うのであれば、これらを購入すれば良いと思いますが、競争率が高く簡単には購入できません。

そもそも購入申し込みのために、モデルルームを予約する必要があり、その予約サイトさえ希望者が集中して予約が取りにくいようです。

でも抽選にまでこぎつけて運よく購入できれば、転売益が狙える可能性が高くなります。

手続きに手間はかかり、購入には資金も必要ですが、以前の晴海フラッグと同じように数千万円の利益が得られる「無料の宝くじ」になりそうです。

マネーゲーム化する湾岸タワマン転売市場には「バブルの香り」もするようになってきました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年11月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。