パリ国立オペラ座バレエ 24/25シーズン初日、デフィレ&フォーサイス&インガー

パリ国立オペラ座バレエ、シーズンスタート!

「ウィリアム・フォーサイス&ヨハン・インガー(インジェー?)」

1日のガラにつづき、最初の3回は、デフィレ付き。来週行きたかったのだけど日程合わず、初日にゴー。今宵、フィルハーモニーでは、ムーティ&フランス国立管のヴェルディレクイエムあって、ずっと前から争奪戦でチケット取ってた。ムーティのレクイエムにも心惹かれるけど、デフィレには叶わない。再販サイトに出すと、5分で売れた、さすがムーティ公演。

ということで、ジャン・ヌーヴェルでなくシャルル・ガルニエの建物へ。しばらく前から外装改装中で、トップブランドの広告が入れ替わり立ち替わり正面に飾られている。今宵はもちろん”シャネル”。デフィレの衣装やディアデムを提供してるので。

さあ、デフィレ。

オペラ座学校&団員全てが舞台を行進するこの晴れがましい作品は、パリオペラ座バレエのレパートリーの中で最高傑作だと思う。23年3月の「パトリック・デュポンへのオマージュ」公演以来、嬉しいな(この時は、往年のエトワールたちの登場もあり、感動の嵐だった)。

ベルリオーズ”トロイ人”の行進曲にのって、生徒たち、そしてダンサーたちが登場。ミリアムの不在にグッと耐え、リュドミラ(ケガ)とドロテ(日本)とマチアス(すっかり諦め)の不在を嘆く。ローラとマチューはこのシリーズのデフィレが最後で感慨深い。ローラの引退日に来たかった、、。

贔屓のダンサーに”ブラヴォー!”贈るのが伝統。今回は、心からブラヴォー!言いたいダンサー、ゼロ。ギヨームに軽い”ブラヴォー”して、ローラにおっきな拍手を送っておしまい。ちょっとため息。
とはいえ、デフィレ自体の華やかさには十分満足。バレエファンなら、一度はぜひとも観てほしい、パリオペラ座バレエだけの傑作作品。

ユゴ、ロラ、マチュー、レオノール、ジェルマン
ジェルマンの脚〜

マチュ、レオノール、ジェルマン、セウン、ポール


デフィレとともに特別にプログラミングされた、My’kal Stromile振付の”Word for Word”。シャネルの衣装は素敵。

続いて、本舞台スタート。

フォーサイス、Rearray。ニコラ・ル=リッシュとシルヴィ・ギエムのために作られた作品のリメイクだそう。数週間前、舞台稽古を観たけど、目も当てられなかった。その時に比べれば、ロクサーヌ頑張ったし、ルー=マルコーのフォーサイス的な動きはなかなか。でも、リュドミラの不在が辛い。なんで怪我しちゃったんだか…。

続く、Blake Works I (ブレイク・ワークス1)も、リュドミラ、そして初演時のフランソワが恋しいものの、作品自体&音楽よいので、楽しく観られる。

二つ見比べて思うけど、フォーサイスは、人数多めの作品の方がいい気がする。人数少ないと、フォーサイススタイルをマスターしたダンサーでないと観るのきついし。

注目は、後ろの方で踊ってたシャル・ワグマン。外部テスト受けて、ミュンヘンからパリにやってきた実力派。舞台稽古の時に、1人光ってて、”知らない、誰?”と後で調べたらシャルだった。しなやかでシャープな体の動き、見事。ちょっとアレッシオに似た顔もいいな。あーっというまに、上に上がってくるでしょうね。

ジェルマンやポールはもちろん普通にいいけど…

コールで踊ってたシャル(中央)から目が離せない
嬉しいな、いいダンサーが入ってくれて

後半は、オペラ座初登場、ヨアン・インガーがNDT2に作ったImpasse。いいよ~、と聞いてたし、音楽がイブラヒム・マーロフというのも気になってたし、隣の席の人が、”この間のガラで見て、とってもよかった”と言っていて、興味津々。

ほぉ、悪くない!というか、ほぼマッツ・エク。”扉”が出るところから、エクっぽいし、あらゆる動きがエクを彷彿させて、好み。ブレイク同様つい体が動いちゃいそうなマーロフの音楽もセンスいい。

ダンサーは、想像通り、イダ、キャロリーヌがいいのに加え、マルクがとてもよくてびっくり。おぉ、彼、こういう表情できたのか。初めて、マルクに感心。春に予定されている”アパルトマン”のオーディションかと思うような作品。私がエクなら、この3人は出演決定。

マルク、イダ、1人置いてキャロリヌ、ブラヴォー!

デフィレ、ブレイク・ワークス、アンパスのおかげで、満足のソワレ。よきシーズンになりますように。


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2024年10月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。