新年の抱負を三日坊主で終わらせない方法

黒坂岳央です。

もうすぐ年始である。早くも「来年の目標は~」といい始める人が出てくる時期だ。このような目標を考えることは非常に楽しいことを知っているので、自分は「止めておきなさい」と直接本人にいうことはしない。

だがこの場で本音を言うと、新年の抱負はほぼ確実に実行されないし、計画を立てる方がネガティブな影響があるとすら思っている。誰もが三日坊主じまいになった経験を持っているはずだ。

手前味噌のようでおこがましい限りだが、筆者は「これをやりたい」と考えて実行したことはほぼ100%行動するし、年単位での長期継続も得意である。三日坊主で終わらせないコツをシェアしたい。

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新年の抱負が実行されないまま終わる理由

最初に理解するべきは、なぜ新年の抱負は成功率ほぼ0%か?という事実だ。

結論から言うと、「計画になっていないから」というのが答えである。計画というのは通常、実行可能性や具体性、リターンなどが明確になっていて然るべきである。

ところが新年の抱負は気持ちが浮ついた中で決めてしまうので、何ら妥当性、計画性、実行可能性、メリットデメリットなどが考慮されないまま「今年はこれをする!」といってしまっている。

つまり、新年の抱負とは計画ではなく妄想であるが故に三日坊主になるのだ。これではまるで「将来はサッカー選手になりたい!」と子供がいう夢と何も変わらない。

計画の実行率が100%になる3つのコツ

それではここからは具体的に実行率100%で行動するコツをシェアしたい。

1つ目はタイミングをズラすことである。新年は真剣に長期計画を立案するには明らかに良くない時期だ。親戚が集まっていたり、お正月イベントで浮かれていたり、お酒が入っていたりと頭がフワフワした状態である。

加えて人生を変えるような計画を、新年の抱負という「外圧」を受けないと作ろうと思えない点こそが最大の問題である。本当に課題として考えるなら、お正月ではなく1年365日、必要な時に必要なだけしっかり向き合うべきなのだ。

以上のことから、こうした状況下で無理やり捻り出した願望など楽しげな妄想で終わるのは明白。まずはタイミングをずらすことを強く推奨したい。

2つ目は予定として先に入れてしまう。筆者はアイデアを閃いたら、必ずその場でGoogleカレンダーに予定として入れている。

たとえば筋トレをしていて自分では伸び悩みを感じてあれこれ探していたタイミングで「そうだ、筋トレの技術を学ぶためにパーソナルジムに通うのがいいのでは?」と思った瞬間に体験レッスンを予約した。

ここで大事なのは「後でじっくり考えよう」を選ばないこと。そうなればそのネタは確実に実行されないまま、数年間温められてしまう。閃いた瞬間にその場で必ず予定を入れ、なんなら先方に予約までして強制的に行動する。相手と約束していたり、金銭の支払いを伴えばどれだけものぐさでも行動できる。

3つ目はやらない理由を先に潰す。多くの人は行動する以上に継続が苦手だ。その理由は「いい面」だけ見て勢いで始めるからである。だからいざ始めた後に「これはコスパが悪いのでは?」「あっちのサービスの方がいいのでは?」と浮気を始めて、「このまま続けるのは時間のムダ」とやめる理由を作り出して放り出す。それ故にやる前にやらない理由を明確にし、先に潰してしまうのだ。

新年の抱負は娯楽である。頭であれこれ妄想し、ネットで調べている間は生産的な時間を過ごしている気になりとても楽しい。「この妄想の時間はあくまでエンタメだ」と割り切るなら止めはしないが、「今年で人生を変える!」みたいに意気込むなら、時期をズラすことを推奨する。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。