世界最大のテクノロジー展示会でみせたホンダの2つの顔

ニュースネタも本流のまじめな報道だけを話題にして、SNSで花咲く芸能や街の噂話的なニュースをスルーするのが「質の向上」でもないと思います。株価の話も楽しいですが、私は中居正広さんの9000万円和解事件にずっと興味はあります。中居さんはSMAP時代から表には出にくいトラブルを時折抱えています。人気絶頂の時、音声流出事件というのもあり、私はその音声を聞いて「中居君も人間だわー」と妙に好きになってしまった経緯があります。今の芸能界はスポンサーと一蓮托生。その点では松本人志氏も中居氏と同様の状況にあります。松本氏は独自のプラットフォームを立ち上げて復活の狼煙を上げるようです。失敗を許すのか、完全無欠を求めるか、の違いですよね。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

踊らぬ株価、トランプ氏への不信感?

北米の株価指標が冴えません。特にダウは12月第一週に45000㌦をつけてからチャート的には下げ一方でついに3000ドル安の42000㌦です。ひと月で6.6%の下落はかなり弱気と言えます。なにがそこまで弱気にさせるのか、市場と対峙していると聞こえてくるのは金利の話が主流なのですが、私はそうではなく、トランプ政権の行方が企業業績や株価にどう影響するかわからず、とりあえず、様子見をしようということではないかと思います。

その中で先日予想した通りコモディティの価格が上昇を開始しています。特に注目しているのが原油と金。原油は専門家筋の見立ては中国の需要がイマイチで価格は下落トレンドのはずがこのところ引き締まり上昇傾向が出ています。金は今日の上げで一時最高値まであと50㌦程度に迫っており、上抜けは確実だとみています。理由はドル離れに拍車がかかる中、代替がないためセーフヘイブンで金の需要が高いのです。金が上がれば銀も上がるとされますが、このところ銀のボラティリティはさほど大きくなく、産業用ではなくより政治的な臭いを感じます。

以前から申し上げているようにトランプ2.0はトランプ氏が公言するほど簡単ではないと思います。あらゆる抵抗勢力を突破しなくてはならず、トランプ氏の軽はずみな発言に対して猛バッシングされるなど一部では緊張感出てくると思います。よってトランプトレードと軽はずみなものを選ぶより全く地味で陽が当たらない業種の方がリスクヘッジと面白みがあるのかもしれません。金利動向についても今日発表されたアメリカの12月雇用統計だけでは判断しにくく、FRBの政策決定会合でも1月は変更なしにすると思いますが、パウエル氏も先行きが読みにくいのではないでしょうか?

イーロン マスク氏は邪魔な男か?

邪魔です。トランプ氏のコバンザメです。マスク氏は2つの顔があります。ビジネスについては粘り強く自身の目的が達成されるまでどんな試練にも耐える素晴らしい才能を持った面を持ちます。一方、口下手で自己表現がきちんとできず、それを補うためツィッターを買収してXに変えて拡声器のような自己発信能力を備えました。でも元が口下手なんだから何を使っても同じです。どんな人間でも強みと弱みあるわけですが、マスク氏がトランプ氏に寄り添うようになってから彼の弱みが表に出てしまっていると考えています。

このところ、欧州で2発ほど問題発言が出ています。1つは総選挙を控えるドイツで極右のAfD党党首とX上で対談し、AfDを持ち上げる一方、ショルツ首相を無能呼ばわりしました。また英国のスターマー政権にもチャチャを入れ徹底的に批判をしています。マスク氏はまもなくアメリカ連邦政府への助言組織「政府効率化省」の共同トップになる予定です。ある意味、公人です。公人とは個人の思想を制限するものではないものの公、つまり誰にもリスペクトを置き、公平な目線で職務を遂行することをその任とします。マスク氏にはそのリスペクトが全くない、つまり放言であり発言の品格がゼロなのです。

発言に品格がない横綱は彼のボスになるトランプ氏ですが、近年、世界のトップクラスの人の発言でも暴言と思われるようなケースは多々見受けられます。人のことをアホウ呼ばわりするわけですが、モノには様々な考え方とアプローチの仕方があり、9割間違っていても1割の先見の明があるかもしれないのです。それをSNSの威力と人気を背景に相手の人格を叩き潰すことは言葉の暴力を通り超えて戦争に発展しかねないのです。そういえば北朝鮮が外交向け発信をするにあたり、暴言を考える部署があり、酷ければひどいほど金与正氏が喜んで発信するという話があります。その点からすればマスク氏は私からすれば与正氏と同じ括りということになります。

トランプ氏インスタグラムより

CESでみせたホンダの2つの顔

世界最大のテクノロジー展示会、CES(もともとはConsumer Electrics Showの略称)が今週ラスベガスで開催されており、知り合いがピッチ(一種のプレゼン)をするので行きたかったのですが、残念ながら留守番となりました。その代わり気になっていた2つの車、ソニー・ホンダの「アフィーラ1」とホンダのゼロシリーズの情報を頂きました。ソニーの十時社長のプレゼンテーションは申し訳ないけれどモノトーンなしゃべり方で顔の表現もなくて心に残らなかったのです。俳優は顔の表情も重要な演技力ですが、CESでプレゼンするなら経営者と言えどもある程度は意識するべきでしょう。

個人的にAFEELAに期待を寄せていたのですが、クルマのプレゼンをしたホンダ出身のソニー ホンダ モビリティ社長の水野氏も時間の半分を予約のこととか価格の事に費やしてしまったのが残念。そんなことは自分で調べられるのでもっと車の特徴を述べるべきだったと思います。正直、最も残念だったのが車の外観デザインが他の車と差別化できていない点です。これでは2026年から街中を走ってもoutstanding にならないのです。あと感覚的には車体が小さいように感じます。車内空間の利用価値を考えるならもう少し広がりあるイメージが欲しかったかもしれません。

一方、私がおっと思ったのがホンダゼロシリーズで見せた2つの車、SUVとサルーンですが、サルーンの方はインパクトが大きかったです。正直言うと私が2006年頃だったか東京モーターショーでGTRを始めて見た時の衝撃に近いものを感じました。好き嫌いが出るデザインだと思いますし、テール処理がかなりユニークでずいぶん思い切ったなと思います。ゼロシリーズのテーマは「Thin, Light, and Wise」で車内空間にも大きな配慮をしています。ホンダにしてはかなり野心的で市場を読んで賭けに出たようにも見えます。日本では新型プレリュードののプロトタイプが発表になり、ハイブリッドになるようです。私は生まれて初めてホンダのファンになるのかもしれません。

「Honda 0 SALOON」「Honda 0 SUV」 HONDA HPより

後記
毎年12月下旬から1月下旬まで地獄の1カ月で12月決算準備、新年度予算、従業員に配布する源泉徴収票作成などが怒涛の如く押し寄せるので基本的には外部のアポは極力絞り込んでいます。その上今年は運営開始したグループホームがショートスタッフで12/25と1/1にお手伝いもさせて頂き、普段は元気な私でも体調は最悪。この時期の「ホリディ―シーズンは楽しめた?」という挨拶言葉に「うっ、うーん」とあいまいな返事。こちらではホリディシーズンに仕事をする人は哀れな人という目線を浴びるから「仕事でした」と言うのはタブーです。あと3週間ほど「必死のパッチ」が続きます。(これ、もしかして死語ですかね?)

では今日はこのぐらいで


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年1月11日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。