三菱UFJ銀行の貸金庫事件、46歳「元行員」の女がようやく逮捕される

三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客の金品が盗まれた事件について、警視庁は46歳「元行員」の今村由香里容疑者を窃盗容疑で逮捕しました。容疑者は練馬支店で貸金庫を管理していた際にスペアキーを使い無断で解錠し、顧客2人が預けていた金塊約20キロ(約2億6000万円相当)を盗んだとされています。

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警視庁の調査によると、今村容疑者は盗んだ金塊を質店に持ち込み現金化した上、その資金をFXなどの投資に利用していました。また、顧客の現金が不足した場合には他の貸金庫から一時的に補填する「自転車操業」を行っていたとされています。

現金に関しては「表に出せないお金」のためか、少なからぬ金額が盗まれたにもかかわらず、被害届がほとんど提出されていなかったようです。

2024年10月に顧客からの指摘により発覚し、三菱UFJ銀行は翌月に今村容疑者を懲戒解雇しています。被害は60人以上の顧客に及び、被害総額は十数億円に上る可能性があるとされています。それだけにこれまで逮捕されずに生活をしていたというのは驚きです。


貸金庫は完全な密室で、中身の記録が残されていないため、被害を訴えても今村容疑者が否定した場合、立証は困難とされていました。しかし、盗んだ金塊を買い取り店で売却したことが証拠となり捜査が進展したとみられています。

貸金庫の特性上、被害品の特定が困難だったため捜査は長期化しましたが、警視庁は質店の記録や容疑者の供述を基に「元行員」の立件に至りました。