2025年度予算案をめぐって、日本維新の会が賛成する方針を示唆する一方、国民民主党は慎重姿勢を取り、「どちらが与党に近いか」「野党としての筋を通しているか」をめぐって互いに批判的な発言を繰り返しています。
与党は維新に「満額回答」、国民には「塩対応」。これに維新の前原共同代表は満足しているようです。
これに国民民主党が激怒。彼らは「103万円の壁」解消と称する所得減税に集中していますが、維新がこの減税案を積極的に支持しないで高校無償化を「満額回答」と認めて政権と合意したことを「裏切り」と非難しています。
維新がこれに「103万円の壁にはわれわれも賛成してきたが国民民主から連携の話はなかった」と反撃。
維新は高校無償化に全力を傾け、「4兆円の社会保険料引き下げ」の具体策は(OTC類似薬など細かい話を除いて)ほとんど語りません。
この背景には、主に政策の違いや政治的スタンス、そして国会での対応をめぐる対立が背景にあります。両党間の緊張が高まっていることがうかがえます。
国民民主党を離党して維新の共同代表になった前原氏をめぐる感情的なこじれもあるようです。
自民党はこの足並みの乱れを利用して、維新と国民の分断を図っています。維新には「連立に入れ」と誘っています。
両党の話が空振りになる原因は、維新が総選挙で掲げた医療費の一律3割負担を封印し、国民民主が同じく後期高齢者の2割負担をいえないなど、参院選に向けて老人票に遠慮していることでしょう。もう「現役世代のために」とは言わなくなりました。
この対立は自民・公明とのバラマキ合戦であり、インフレで金利が上がっている時期に、マクロ経済政策としては適切とはいいがたいが、今のところ歩み寄りの兆しは見えません。このままでは両党の支持者層がさらに分断され、野党全体の結束にも影響を及ぼすかもしれません。