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著者はデジタルデトックスを実践することで、気づきがあったと言います。それは、幸せも夢実現も人生の目的も、すべての答えは、静かなる自分の中にあるということでした。
「限りある人生は静けさの中で 神の島に暮らすおじいとおばあが教えてくれた内なる習慣」(YOUKA 著)株式会社ヴォイス
[本書の評価]★★★(75点)
【評価のレべリング】※ 標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
私たちにはスマホなしの静寂が必要
本書ではデジタルデトックスの必要性が紹介されています。これは、著者が久高島に滞在していたときのエピソードです。
「今日もつながらないねぇ、1か月ぶりに電波入ったよ。これがスマホの電波の話だなんて、きっと思わないですよね?しかし久高島にいると、日常の会話になってきます。そのうち電波すら、スマホの存在すら確認しなくなることも。島の誰かに用事があったら、直接会いに行ったほうが早いからです」(著者)
「慣れた口調で言っていますが、はじめ私はプチパニックでした(笑)。引っ越し当日、荷物のことや家のライフラインなど、あれこれと手配が必要だったのに連絡をしようにもつながらない。まず自分のスマホの電波が入らない。内地での電波環境に慣れきっていた私は、『どうしよう!!!』と真っ青になったものです」(同)
スマホがつながらないことに動揺される方は、強制的にひとりの時間を与えられたと思って過ごしてみると効果的だと、著者は言います。
「やっとつながったと思っても、予測もなしに電波は切れるので、『なんとかしなきゃ!』と躍起になるのではなく、スマホのことは放って違うことをするのがいいでしょう。そのうち元に戻っているでしょ。いつかつながるでしょ。どうせならひとりの時間を過ごそうというマインドでいると、贅沢なひとときを過ごせます」(著者)
著者は、「真面目に生きていると、変なマインドが刷り込まれている。そのような時には『ただただ、手放せばいいのです』と言います。手放すことでひとり静かな時間を味わうのです。
世界の潮流はデジタルデトックス
現在、SNSが子供の「健康」に悪影響を与えるとして、規制する動きが出てきています。これはデジタルデトックスの時期が来ていることを意味しています。
米国のフロリダ州では14歳以下のSNS利用を規制する法律が成立しました。14歳から15歳までの子女がSNSアカウントを作成する場合は親の許可が必要となります。日本でも子供の健康がSNSによって損なわれるという懸念が強まっています。
デジタルデトックスの流れは有益です。スマホやSNSから解放されることで、私たちはもっと質の高いコミュニケーションやリラックスした時間を過ごすことができます。島での著者の体験が示すように、たまには電波のない環境に身を置き、自分自身と向き合う時間を持つことで、心身のリフレッシュが図れます。
現代の喧騒から離れ、自然とともに過ごす贅沢なひとときを味わってみてください。それが私たちの日常生活における新たな「健康」の一歩となることでしょう。たまにはスマホから離れた生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
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