富山県警は2025年5月10日、性風俗店の営業が禁止されている地域で、メンズエステを装って性的サービスを提供していたとして、富山市の「富山メンズエステKOMOREBI」の関係者3人を風営法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、経営者の宮崎稔之容疑者(39)、店の運営に関わっていた富山大学の准教授・滝谷弘(別名:奥村弘)容疑者(49)、そして19歳の女性従業員です。滝谷容疑者は大学の総合情報基盤センターに所属しており、大学教員が違法風俗店の経営に関与していた異例のケースとなっています。女性従業員は現行犯で逮捕されました。
富山大学キャンパス Wikipediaより
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店は2022年ごろから営業し、月の売上は約1000万円、累計では数億円はあったとみられています。
警察は「匿名流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の一環として捜査を進めています。別の事件の捜査中に本件が発覚し、富山南警察署に80人規模の捜査本部が設置されました。
「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」とは、SNSを通じてゆるやかに結びついた実行犯募集型の犯罪集団のことで、構成員が固定されていないのが特徴です。警察白書でも社会的脅威として取り上げられ、強盗や特殊詐欺、ロマンス詐欺、SNSを使った投資詐欺など、さまざまな犯罪に関与しています。実行犯は「闇バイト」として募集され、気づかぬうちに犯罪に巻き込まれるケースもあります。SNSを介して常にネットワークを広げており、誰でも関わる危険性があるとされています。
また、滝谷容疑者は2016年にもマルチ商法への勧誘や、盗んだクレジットカードでの給油により、窃盗・詐欺容疑で逮捕されていた過去がありますが、当時は大学を免職されずに現在も准教授の職にとどまっていたと見られています。
富山大学は事件発覚後も5月11日時点で声明を出していませんが、過去の大学教員による不祥事の例を考えると、今回の件も懲戒解雇に至る可能性が高いとみられます。違法行為による巨額の収入や学生への悪影響も指摘されており、大学の対応が問われています。