「社会貢献」の前に「自己実現」を考えた方が良い

私の周りには、社会的な課題に向き合い世界を変えるチャレンジに挑戦する素晴らしい人たちがたくさんいます。

例えば、先週末の投資家コミュニティ資産設計実践会の月例会にゲストとして来てくれた長坂真護(MAGO)さんです(写真は3年前の資産設計実践会にて)。

MAGOさんはアーティストとして活動している中で先進国から捨てられたガーナの電子ゴミの問題に気がつき、アートを使った環境問題の解決に取り組み始めました。ゴミをアートにして、経済を回す「サステイナブル・キャピタリズム」を実践しています。

あるいは、効能聡子さんは社会企業家の夢を実現するためにARUNを設立しました。カンボジアで活動を開始し、日本からの投資資金を新興国とつなぐ社会的投資という新しいビジネスモデルに挑戦しています。

新たなチャレンジのためにクラウドファンディングも開始しています。

お2人に共通するのは、現代資本主義社会の置かれている問題に「自分事」として取り組み、見返りを求めない社会貢献を続けていることです。

もしかしたら、自分のパッションに正直に行動しているだけで、社会貢献とさえ思っていないのかもしれません。

私を含め多くの俗人は、他人事の前に自分事を優先してしまいます。

社会貢献の高い理想を掲げ実践している人たちの真似をしようと思っても、できるわけではありません。無理に始めたところで途中で挫折してしまうのが関の山です。

しかし、そんな俗人であっても自己実現が達成できれば、次に考える事は社会貢献になる事は多いのです。

実際、私の周りにいる成功した経営者の人たちの多くは、自らのエネルギーを徐々に自分だけではなく、周りの人たちや社会に注ぐようになっていきます。自分が幸せになっているだけでは人間は満足できない動物なのです。

とすれば、できもしない社会貢献を無理にやろうとするより、まず努力して自己実現を成し遂げる。

そうすれば、自然に社会貢献をしたいという気持ちが生まれてくるものです。

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かく言う私もささやかながらいくつかの社会貢献の活動に関わるようになりました。

次のミッションは私と同じような人を増やしていくことだと思っています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年5月日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。