EVのF1レース「フォーミュラE」で感じた革新とノスタルジー

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週末にお台場で開催されている「フォーミュラE」にスポンサー企業の代表の方から招待してもらい出かけてきました。

この日は朝から生憎の暴風雨でしたが、決勝が行われる午後になると風は弱まり雨も小降りになりました。更にレースが始まると曇り空になり、雨上がりの涼しい風を感じながら屋外で気持ち良く観戦できました。

カーレースというと日本では、昭和から平成にかけてF1が大ブームになりましたが、今回のレースはEV (電気自動車)でのレースです。

ガソリンエンジンの爆音ではなく電気自動車特有のモーターが高速回転する「キューン」という高音が何とも新しい時代を感じさせます。

F1と同じようにお台場に作られたコースをグルグルと周りスピードを競います。電光掲示板には各車両のバッテリー残量なども表示され、F1とは違った面白さがありました。

ファンビレッジと呼ばれるチケット購入者が入ることができる会場にはたくさんの自動車レースファンが集まりグッズ売り場には長蛇の列ができていました。

それとは別にVIP用に用意された「エモーショナルクラブ」というスペースでは、スポンサーのテタンジェのシャンパンが大量に用意され、フリーフード・フリードリンクで賑わっていました。

広い空間に食べきれないほどの食事とワインやカクテルが用意され、ガソリン車が電気自動車に代わってもパーティ会場の雰囲気は変わることなく、EVのレースの観戦に来る人達でもフードロスや環境問題にはあまり興味が無いようです。

DJによるビートの効いた音楽が流れる中にいると昭和のバブルを思い出し、何ともノスタルジックな気持ちになりました。

観客が自動車レースに求めるのは車がEVに変わってもやはりスピードとスリルです。

美味しいお食事にワインやシャンパンといったお酒と音楽、そこにスリルとスピードが加わります。

「フォーミュラE」のイベントは人間の根源的な欲望をすべてそろえており、だからこそこれからも無くなることのないエンターテイメントであり続けるのだと妙に納得してしまいました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年5月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。