ニューヨークのJFK空港からマンハッタンのホテルまではUber(ウーバー)で行くことにしました。
日本ではウーバーと聞けば、フードデリバリーのUber Eats(ウーバーイーツ)の方が有名ですが、もともとはタクシーに変わるライドシェアサービスから始まった企業です。
専用のアプリを使って携帯から行き先を入力すると料金が事前表示され、ドライバーの評価などを見てその場で予約ができるサービスです。
1つだけ心配だったのはUberの乗車場所です。今までの経験では、予約した車に路上で乗ることが多く、携帯に表示される位置と実際の車の場所が微妙にずれてしまうことがありました。今回も広い空港の中で自分の予約車をうまく見つけられるかどうか不安でした。
しかし、その心配は杞憂でした。
空港のゲートを出てタクシー乗り場のほうに歩いて行くと、ウーバーのピックアップポイントが矢印で案内されています。
行ってみると、タクシー乗り場よりも効率的な仕様になっていました。アルファベットと数字で乗り場の場所が案内されており、アプリで予約をすると自分の車が乗れる場所が表示されます(写真)。
表示された乗り場(E3)に行くと、すでに自分が予約した車は到着して待機している状態でした。配車を依頼してからわずか2分ほどの出来事です。清潔なトヨタのSUVでタクシーよりも乗り心地が良いです。
今回アメリカではウーバーのようなライドシェアが完全に市民権を得て、タクシーと並ぶ選択肢になっている事がわかりました。
タクシーと料金を比較してはいないので断定的な事は言えませんが、おそらく料金もウーバーの方が安いはずです。旅行者にとっては安心して定額で移動することができ、タクシーよりも安くて便利で快適な交通手段になっていると思います。
翻って日本ではいまだにタクシー業界の利権を守る人たちの情報操作の影響でウーバーのようなライドシェアサービスに対する危険性が指摘されています。
ライドシェアの運転手は、運転技術が未熟、交通ルールを守らない、犯罪を犯すリスクが高い、といった偏見です。しかし、タクシー運転手が安心・安全でライドシェアのドライバーが危険という根拠はありません。
むしろ、乗客から毎回評価をされて、スコアが悪いと排除されてしまうライドシェアの方がコントロールされていると考える方が自然です。
日本でもタクシーアプリを使えば、タクシー会社によってウーバーとほぼ同じサービスが提供されています。問題は配車料金やアプリ使用料等といったコストが加算され、タクシーよりさらに割高になっていることです。
羽田空港や成田空港にJFK空港のようなウーバー専用の乗り場が作られる事はこれからもきっとないでしょう。この分野に関して日本で規制緩和が進まないのはどこに原因があるのか。
ニューヨークでのUber利用がとても快適だったことで、モヤモヤ感がより高まりました。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年5月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。