立憲民主党の野田佳彦代表は、石破内閣に対する不信任決議案について、今の国会での提出を見送る方針を表明しました。野田代表は記者会見で「国難ともいえる状況の中で、今は外交努力が必要な局面だ」と述べ、不信任案提出の見送りを説明しました。
一方で、政府の物価高対策については「無策であり、信任できる状況ではない」と批判し、参院選では与党を過半数割れに追い込み、次の衆院選での政権交代を目指す姿勢を強調しました。
野田代表は「不信任案は出さないけど、物価高を放置している石破内閣を信任することはできない」と矛盾に聞こえる立場を示しました。
野田代表は、来月からガソリン税の暫定税率を廃止する法案について、日本維新の会や国民民主党と連携し、採決まで持ち込む方針を確認したと述べました。また、自民党との大連立については「考えていない」と明確に否定しました。
野田佳彦代表 立憲民主党HPより
こうした中、衆議院では18日の本会議で、自民党の井林辰憲財務金融委員長に対する解任決議が、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党など野党の賛成多数で可決されました。常任委員長の解任決議が衆議院で可決されたのは、現行憲法下で初めてのことです。これは、自民党がガソリン税の暫定税率を廃止する法案の審議入りを拒否したことに対し、野党が強く反発した結果のパフォーマンスのようです。
立憲民主党内では不信任案の提出に慎重な意見が多かった一方で、小沢一郎議員ら一部議員は、内閣不信任案の提出を求める動きを見せていました。不信任案を出さないことは国民の期待に背くと訴え、党執行部に再考を求めていました。
立憲民主党が内閣不信任案の提出を見送ると決めたことを受けて、石破首相は「各党の対応をまだ詳しく把握していないので、コメントは差し控える」と述べました。このため、石破首相は今の国会で衆議院を解散することはないとみられています。衆議院と参議院の同日選挙の可能性はなくなり、参院選は予定通り7月3日公示、20日投開票で行われる見通しです。