国民民主党の玉木雄一郎代表は6月24日、日本外国特派員協会での記者会見で、党が女性からの支持を得にくい理由について問われ、英語で「私たちの政策は男性だけでなく女性にとってもよいものだと思いますが、彼女たちにとってそれを理解するのは非常に難しいと思います」と述べました。この発言が「女性には理解力がない」と受け取れるとして「女性蔑視だ」と批判が広がりました。
I think our policy is good not only for men but also women, and but I think it’s very difficult to understand for them.
私たちの政策は男性だけでなく女性にとってもよいものだと思いますが、彼女たちにとってそれを理解するのは非常に難しいと思います。(直訳調)
玉木代表は翌25日、自身のX(旧ツイッター)で釈明し、本来伝えたかったのは「政策は女性にも良いものであるが、それが届いていない実情があり、難しさを感じている」という趣旨だったと説明しました。また、「理解する(understand)」ではなく「届く(deliver)」という表現を使うべきだったと反省し、「英語が未熟で拙い表現になってしまった。女性蔑視の意図は全くありません」と謝罪しました。
玉木氏は、昨年の総選挙で打ち出した「103万円の壁」の引き上げ政策については「理解しやすく、男女ともにメリットのある政策だった」と述べましたが、この発言も「女性には簡単な政策なら理解できる」といった含意を持つと受け取られ、さらなる反発を招きました。
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立憲民主党の蓮舫元参院議員はXで、「この政党で活躍する女性議員の能力にいつも学ばされています。見えていないのか、見ていないのか。とても悲しい」と投稿し、玉木代表の発言に対する失望を示しました。
しかし発言の全文を読むと本当に女性蔑視と言えるのか疑問だという声もあります。
そもそも「壁」の議論は制度が複雑化し過ぎており、老若男女問わず理解している人は多くないかもしれません。
慣れない英語の対応が仇となってしまいました。
玉木代表は上記の自身のXでの投稿で、「私の発言内容について、女性蔑視とのご指摘をいただいています」と述べました。その上で、「お伝えしたかったのは、国民民主党の政策は女性にとっても良いものだと考えていますが、実際には十分に届いておらず、そこに難しさを感じているということでした」と説明しました。また、「理解する(understand)」ではなく「届く(deliver)」という表現を使うべきだったとしたうえで、「英語が未熟だったため、拙い表現になってしまったことを反省しています」と謝罪の意を示しました。今回の件は、言葉の選び方や表現の違いが、発信者の意図とは異なる形で受け取られ、大きな波紋を呼ぶことになりました。
「理解できないのは女性」という構図
“it’s very difficult to understand for them” という表現は、「女性が理解できないほど国民民主の政策は難しい」という意味に受け取られる可能性があります。これは、「女性の能力が足りない」と読めてしまうため、女性蔑視的に映ったとようです。
「deliver(届ける)」と「understand(理解する)」の違い
本来は「政策が届いていない(伝わっていない)」という趣旨であれば、政党側の「発信力の弱さ」や「広報の課題」の話ですが、「理解されていない」という表現にすると、有権者側に責任を転嫁しているように響いてしまったようです。
玉木雄一郎・国民民主党代表 国民民主党HPより