6月の複数の世論調査で、参政党の支持率が大きく上昇していることが明らかになりました。読売新聞などの調査では、参政党は前回から4ポイント増の5%となり、支持率で国民民主党と並びました。
共同通信の調査では、参政党の支持率は5月の調査から伸び、国民民主・日本維新の会を上回って野党第2党に浮上するという勢いです。
これまで1〜2%で推移していた参政党が急速に支持を伸ばしている背景には、既成政党に対する不満や、物価高対策など現政権への評価の低さがあるとみられています。れいわ新選組や共産党などと違い、草の根的な活動で支持者を増やしているようです。
また、若年層の投票率が低い中でも、無党派層の動きが参政党の台頭を後押ししている可能性があると言われています。
参政党のプロパガンダはかなり怪しいものが紛れ込んでいますが、この現象は現代日本の閉塞感を象徴しているのかもしれません。
参政党は、従来の政治モデルに疑問を持つ若年層・中堅層を、SNSと草の根エネルギーで動かす“DIY型右派ポピュリズム政党”として台頭しています。ただし、その運動の中には誤情報や過激な主張も多く含まれており、今後は組織化と政策の安定性が試される段階にあると島田裕巳氏は分析しています。
参照:参政党の台頭:日本の「DIY型」右派ポピュリズム運動の包括的分析 島田裕巳
政治や組織には「好きだから関わりたい」という「ファンダム」の原理を取り入れることが重要だと指摘もあります。アメリカのトランプ大統領のような指導者は支持者と感情的に結びつき、熱狂的な支持を得ています。一方、既成政党は理屈に偏りすぎて共感を得にくい傾向があるとのことです。これからの政治は、良くも悪くも共感とつながりを生む「ファンダム」的なアプローチが求められているということです。
宇野 重規 実験の民主主義-トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ (中公新書 2773)
いずれにしても、参政党は一部地域や属性で急速に支持を集め、今後の参議院選挙での動向が注目されています。
参政党・神谷宗幣代表Xより