米露首脳電話会談、ウクライナ停戦交渉は平行線:北朝鮮は派兵を追加か

アメリカのトランプ大統領は7月3日、ロシアのプーチン大統領と約1時間にわたり電話会談を行いました。ウクライナの停戦についても話し合いましたが、トランプ大統領は記者団に「まったく進展がなかった」と述べ、不満をにじませました。

プーチン大統領は、ウクライナとの戦闘をやめる条件として「深刻な対立を招いた根本原因の除去」が必要だとの姿勢を改めて強調し、ウクライナの中立化やNATO加盟の断念、併合した東・南部4州からの撤退拒否など従来の主張を繰り返しました。さらにウクライナの非軍事化や親ロシア政権の樹立も意図しているとみられます。

トランプ大統領は引き続き早期停戦を求めましたが、プーチン大統領は交渉を通じた解決に努めると述べつつも、ロシアの目標は放棄しない姿勢を崩しませんでした。1日にはマクロン大統領もプーチン大統領と電話会談を行い、ウクライナでの停戦と紛争終結に向けた交渉を早期に開始するよう呼びかけましたが、「ウクライナ紛争は長年にわたりロシアの安全保障上の利益を無視してきた西側諸国の政策の直接的な結果だ」と主張し、欧米側に責任があると一方的に非難しています。

また、両首脳は中東情勢やエネルギー・宇宙開発の協力についても意見を交わしましたが、アメリカが一部ウクライナ向けの武器供与を停止したことについては議論されませんでした。

また、北朝鮮が今後、ロシアに2万5000人から3万人の兵士を追加で送る可能性があるとみられています。北朝鮮とロシアの軍事的なつながりが強まっていることから、ウクライナはその動きを警戒しています。

今回の会談はトランプ大統領の2期目就任後6回目の電話会談となりますが、ウクライナ情勢をめぐる溝は依然として埋まっておらず、停戦実現への見通しは立っていない状況です。

金正恩総書記・トランプ大統領・プーチン大統領 各国政府HPより