トランプ大統領は4日、法人・所得税の恒久的な引き下げを含む大型の減税・歳出法「OBBB法(One Big Beautiful Bill)」に署名し、同法が成立しました。
トランプ減税法が成立 法案に署名、財政赤字膨らむ懸念https://t.co/fXeTJRwxjz
議会予算局は、財政赤字が今後10年間で3兆4千億ドル(約490兆円)増えると試算しており、財政悪化が懸念される。
— 産経ニュース (@Sankei_news) July 4, 2025
これは2017年に第1次トランプ政権下で実現した「トランプ減税」を恒久化するもので、経済成長の加速を掲げたトランプ大統領は「米国の黄金時代が来る」と演説しました。
下院でのトランプ減税法案可決で湧き上がるUSA! USA! コール。pic.twitter.com/5BAysWSn2z
— Shen (@shenmacro) July 4, 2025

OBBB法の成立を喜ぶトランプ大統領 ホワイトハウスXより
トランプ減税の主な内容は以下の通りです。
法人税率の引き下げ:従来35%だった連邦法人税率を21%に大幅に引き下げ、企業の競争力を高める。
所得税の最高税率の引き下げ:39.6%から37%に引き下げられ、富裕層を中心に負担が軽減する。
相続税・贈与税の基礎控除拡大:控除額を倍増し、資産の移転をしやすくする。
海外子会社からの配当課税の廃止:多国籍企業が米国外にためていた利益を国内に戻しやすくする。
- クリーンエネルギー政策からの転換:バイデン政権が推進してきたクリーン・エネルギーへの投資促進政策を修正。
チップ収入の非課税化:一部のサービス業労働者の負担軽減を狙った措置ですが、所得税をそもそも納めていない層には恩恵が届かないとの指摘もあり。
こうした減税の恒久化は、今後10年間で3.8兆ドル(約550兆円)の財政悪化要因とされ、併せて歳出削減策も講じられました。特に、低所得者向けの公的医療保険「メディケイド」やEV補助金などが削減され、1000万人以上が医療保険を失う可能性もあると報じられています。
「トランプ減税法」成立、「経済はロケットのように飛躍」と期待…財源確保へ公的医療保険の支出削減 : 読売新聞オンライン https://t.co/xBAAnZokno
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) July 5, 2025
このため、「富裕層減税」や「低所得層への冷遇」との批判も強く、格差拡大を懸念する声が高まっています。
日本の選挙戦はなんちゃってトランプモドキがたくさん登場していますが、トランプの政策の目玉は社会保障の削減と富裕層減税です。反移民だけがトランプ政治じゃない。日本のトランプを目指すなら徹底的に政策を真似しないと。
— Emin Yurumazu (エミンユルマズ) (@yurumazu) July 5, 2025
その一方で、法案の成立により2025年末に予定されていた減税措置の失効が回避され、政府債務の法定上限も5兆ドル引き上げられたことで、当面の財政・市場リスクはひとまず和らぎました。
米下院、「ひとつの大きく美しい法案」を218対214で可決!
トランプ政権にとって、大きな成果に。債務上限は上院案に沿って5兆ドル引き上げられ、デフォルト懸念は消滅。https://t.co/M0JLHBlt6e https://t.co/GUk8QE8aVv
— Sawako Yasuda/Street Insights (@Street_Insights) July 3, 2025
【債務上限問題とは何か?】
アメリカ政府には「連邦債務上限」という法律で定められた借金の限度額がある。
国は税金だけでは足りないお金を国債という借金でまかなっているが、この借金の合計が上限に達すると、財務省は新しくお金を借りられなくなる。… pic.twitter.com/zQcnECijKt— 東大ぱふぇっと20代で億り人達成米国株投資 (@utbuffett) June 8, 2025
債務上限問題は回避できましたが、債務の持続可能性問題は回避できるのでしょうか。
いまや債務問題は世界的課題だ。米英日などで30年債利回りが数十年ぶりの高水準で債務の持続可能性が問われている。低金利時代は終焉し政府の過剰な借入と財政支出は成長の恒常的な鈍化と債務負担の増大を招く。国債暴落そのものよりも長期的な債務蓄積による経済停滞のほうが深刻な懸念となっている。 pic.twitter.com/p9T8kefzj4
— 朝倉智也(Tomoya Asakura) (@tomoyaasakura) June 6, 2025
アメリカ政府も日本国政府も、国民がインフレに不満を言って政治家の人気が落ちた場合、政治家は次の選挙に勝つために給付金とか減税するんだから、よく考えた方がいいんですよね。
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) June 10, 2025
こうした動きに対して、起業家のイーロン・マスク氏は、新党「アメリカ党」構想を表明し、財政支出の拡大に反対する姿勢を強めています。共和・民主両党の勢力が拮抗する中、マスク氏は数議席を狙って議会のキャスティングボートを握る戦略を掲げていますが、米国の二大政党制の中で第三極がどれだけ影響力を持てるかは今後の注目点です。
マスク氏が「アメリカ党」構想 減税法に反発、脱二大政党を主張https://t.co/qYuIqHgnr5
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) July 4, 2025
トランプ、マスク氏の国外追放について尋ねられ、『検討する必要がある』と発言
— 米金融ツイート和訳 (@bei_wayaku) July 1, 2025