日産自動車は、台湾の鴻海精密工業と電気自動車(EV)分野での協業に向けた協議を始めました。神奈川県横須賀市の追浜工場で鴻海のEVを生産する案が検討されており、実現すれば工場の存続や従業員の雇用維持、国内の部品供給網の確保につながると見られています。
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日産は2027年度までに世界の完成車工場を17から10に削減する方針を発表しており、追浜工場と日産車体の湘南工場が国内の統廃合候補に挙がっています。追浜工場は、現在「ノート」などを生産していますが、稼働率は低迷し、採算ラインを大きく下回っています。
鴻海はEV分野での事業拡大を図っており、日本国内での生産拠点確保に意欲を示してきました。今年5月には三菱自動車とのEV供給で合意し、三菱ふそうへの供給も調整中です。追浜工場の活用には日産との合弁設立も視野に入れられており、実現すれば日産にとっても稼働率向上やコスト削減のメリットがあります。
鴻海は日産との協業に積極的な姿勢を見せており、日産とホンダの経営統合の背景にも関わっていたとされています。協業が実現すれば工場の稼働率向上や雇用維持につながる可能性がありますが、将来的な競合リスクや部品供給の面で不安視する声もあります。
トランプ政権が導入した自動車関税の影響により、日産はアメリカへの輸出にかかるコストが大幅に増加し、その結果として通期の営業利益が最大で4500億円減少する見込みです。特に北米市場は日産にとって重要な収益源であるため、この関税負担は経営に深刻な打撃を与えています。そのため、日産は生産拠点の再編やコスト構造の見直しを急ぐ必要があり、国内外の工場の統廃合や外部との提携を含めた抜本的な対応が求められています。
日産自動車HPより