土用の丑の日には「うなぎ」を食べない天邪鬼

東京は梅雨が開けて暑い夏がついにやってきました。先日は土用の丑の日で、うなぎの特売をスーパーがやっていました。

江戸時代に夏バテ防止のスタミナ食として人気が出たうなぎですが、土用の丑の日にうなぎを食べるという風習は平賀源内がうなぎの販売を増やすためのマーケティングとして始めたと言われています。

季節の風物詩は、四季のある日本ならではのものであり大切にしたいと思います。しかし、土用の丑の日にうなぎを食べるというのは、そもそも商売のための方便であり意味がありません。

うなぎは翌日になれば、大量に仕入れて在庫がはけなかった分をセールするはずです。

そもそも、うなぎが美味しいのは養殖の場合はあまり関係ありません。天然うなぎの旬は10〜12月です。敢えてこの時期に食べる必要は無いのです。

うなぎの土用の丑の日だけではなく、恵方巻き、バレンタインデーなどは商売のために作られたものです。

バレンタインデーはチョコレート会社のモロゾフが、恵方巻きはコンピ二が作ったイベントです。

この手のマーケティングイベントに踊りたい人は踊れば良いと思いますが、行列して高い商品を買う姿はまさに情弱そのものです。

販売する側も大量に仕入れて、売れなかった分は大量の廃棄ロスが発生しているはずです。

であれば、需要が集中する時には敢えて買わないで、平準化に貢献すべきではないでしょうか。

うなぎの特売をしている魚売り場で、安くなっている「羽立のウニ」を買ってみました。土用の丑の日はうなぎ星人ではなくウニ星人になります。

うなぎは翌日安くなっていたら買ってみようと思いした。

petesphotography/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年7月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。