鈴木宗男氏(77)は札幌市内の選挙事務所で会見を開き、参議院選挙の比例代表での当選が厳しいとの見通しを示し、政界引退の意向を明らかにしました。
しかし、その後情勢が変わり、最終的に当選が確実となりました。
https://twitter.com/doshinweb/status/1947085026975449191
鈴木氏は、かつて日本維新の会から比例代表で参院に当選しましたが、2023年に無断でロシアを訪問したことが問題視され、議員辞職せずに離党しました。その後、比例代表で自民党から再び立候補するには議員を辞職する必要があったため、辞職して23年ぶりに自民党に復党し、公認を受けて立候補しました。
鈴木宗男氏 NHKより
ただ、この復党には、鈴木氏自身が25年前に関与して作った「比例代表で当選した議員の移籍制限ルール」が大きな制約となりました。この制度は、1996年の選挙で比例当選直後に他党へ移籍した議員への批判を受けて、自民、公明、保守、自由、民主の5党が共同で法改正を提案し、鈴木氏も国会でその必要性を説明していた経緯があります。皮肉にも、自らが提案した制度によって、今回の復党劇は制約を受けることとなりました。
自民党は同日、党紀委員会で鈴木氏の復党を認め、公認に向けた手続きを開始しました。汚職による有罪判決やロシアとの関係といった過去を持つ人物をこの時期に復活させた背景には、自民党の人材難という事情もうかがえます。
今回の復帰劇を通じて、自民党が「過去に問題があっても、票を持っていれば復活できる」というメッセージを国民に送っているように映ります。比例代表という制度を利用しての復帰には、安全保障上の観点からも、国民との意識のずれが浮き彫りになりました。