今回の参議院選挙に先立って、私は「参議院選挙でどう投票すれば日本は良くなるか」という記事を書いた。
基準は、現在の勢力より伸びてほしい政党はどこかということで、「現有議席に比べてということで言えば、自民、公明、維新、国民、社民、参政には増えてほしい。減ってほしいのは立憲、共産、れいわ、保守(今はゼロだが)」と書いた。
結果は、期待通り増えたのは維新、国民、参政で、期待に反して減ったのは自民、公明。期待に反して増えたのが保守、れいわ、期待通り減ったのが共産、横ばいだったのが立民と社民である。
現状において、自公連立で過半数を確保することより好ましい政治体制はない。ぜひ、改選過半数を確保してほしいところである。
ちなみに、参政党については、「賛成しがたい政策もあるが、もっともな提言もあり、れいわのような、国の根本的な路線におけるあり方を危うくする政党を食ってほしいところだ。どうせポピュリスト的な意見の人もいるし、それを国会で代弁する人がいるほうが、国政への信頼のためにもいいことだ」と書いていたが、私が望んでいたより少し多くなりすぎた。
国民については、「現議席よりは増えてほしいし、立憲に対しては勝ってほしい。ただし、財政規律無視のポピュリスト的政策を掲げたのには失望しており、以前ほど期待できないので、ほどほどでいい」と書いたので、まあ妥当な結果である。
維新は迷走しているが、大きな改革をするためには、その一翼を担ってほしい勢力である。大阪では少しお灸を据えたいが、少なくとも大阪以外では現状より伸びることを期待する、と書いた。改選前より1増えたが、これは現職の梅村みずほが公認を得られず離党して参政党から当選したからで、実質的には横ばいだ。さらに、6年前には東京都から音喜多駿が当選したが、衆議院選挙に立候補するのに伴い辞職しているので、6年前よりは減少なのだが、一方、京都で新実彰平が共産党の現職を振り切って当選したのは大殊勲だ。
自公両党については、「3年前の参議院選挙では、安倍首相襲撃事件の影響で自公は大勝した。そのため、次回は後退必至である。このため今回、過半数ぎりぎりだと次回はねじれ国会が予想される。自民に反省を求めたいことは多いが、それなら公明に投票すべき。自民の困った問題は、政権内で公明の比重が高まればかなり解決する」と書いたのだが、惨敗だった。
比例では自民が540万票、公明が100万票を失った。公明の100万票の内訳としては、「選挙区は自民、比例は公明」と自民が呼びかけるどころではなかった分もある。また、埼玉、神奈川、愛知で最後の議席を参政と争って競り負けたのは大反省が必要だ。公明は参政を戦前回帰のとんでもない政党ということで猛烈に攻撃したが、観光公害、制度の不正使用など、「そういう事例がある場合にはしっかり対処します。実際、こういうことも公明党の主導でしています」といったうえで、「しかし、世間で噂されている……は事実ではありません(数字の上では逆です)」と切り返すべきで、いきなり「共生を目指します」から切り出さないほうがいいと思う。
石破首相も川口市へ行って「共生はできるんです」といったのが全国ニュースで流れていたが、それを見て参政党に行く人が多かったと思う。