6月中旬、有給休暇を取って長崎県の池島を訪ねた帰り。
少し時間があったので、佐賀県でとても景色がいいことで有名な展望台に立ち寄ることにしました。
余談ですが、私の車はエアコンが壊れています。6月だったのでまだなんとか耐えられましたが、それでも熱中症寸前でした。今なら運転不可能です。
やってきたのは佐賀県唐津市西部の旧肥前町地域にあるいろは島展望台。玄界灘周辺に広がる玄海国定公園の一部を構成するエリアです。
駐車場に車を停めて、展望台に向かう途中の景色ももう美しい。6月中旬ということもあって紫陽花が見ごろを迎えていました。
この地域では名の知れた展望台なんですが、そこにあるのは遊具のような形状の展望台のみ。土産物店などの施設はありません。純粋に景色を楽しむための施設です。平日ということもあってわたしのほかに観光客はいません。展望台に登って絶景を独占することにします。
佐賀県唐津市と長崎県松浦市の間の海域は伊万里湾と呼ばれ、小さな島の多い多島海です。見てお分かりの通り、小さな無人島が点在しています。これらの島の数は48であり、「いろは」の数と同じであることから、これらの無人島の総称として「いろは島」と名付けられました。
この比較的大きな島は「島山島」。下から読んでも「島山島」です。
国民宿舎いろは島から橋を渡ってすぐの場所にあり、いろは島海水浴場が整備されています。ここだけ砂浜があるのが印象的です。
何か変化があるわけではないですが、いつまでも見ていたくなる。
海の青と緑に覆われた美しい島々の風景です。
少し場所は変わり、こちらはいろは島展望台から車で10分ほどの場所にある大浦展望台。この地域は山がちで棚田が多いエリアなんですが、ここからも棚田の絶景を見ることができます。
こちらが大浦の棚田。伊万里湾に向かって段々の棚田が広がります。山がちの土地を切り開き、少しでも耕地を増やそうと尽力した人たちの苦労の結晶です。
棚田は大雨が降った時のため池としての機能を併せ持ち、砂防の役割も持ちます。海沿いに暮らす人たちの暮らしを守る役割もあったといいます。そう考えると、棚田は耕作しにくいからと安易に放棄してはならないのだなと考えさせられます。
佐賀県北部の山間の場所にある展望台。そこから見える多島海や棚田はとても美しく多忙で心労絶えない日々を多少なりとも癒してくれるありがたい場所でした。湾は穏やかで心を落ち着かせてくれます。
福岡からなら1時間半もかからずに来ることができる非日常の世界。そんな世界に広がる絶景を眺めに、ぜひドライブに来ていただきたいと思います。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年7月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。