政府は8日、2026年度予算編成に向けた概算要求基準を閣議了解しました。各省庁が自由に使途を決められる「裁量的経費」について、今年度比で20%の増額を認め、従来の増額条件だった経費削減は求めない方針です。
物価高や賃上げなどの重要政策を進める狙いがあります。従来は10%削減を条件に、その削減分の3倍まで特別枠で要求可能としていましたが、この枠組みは廃止されます。また、「事項要求」により金額を明示せずに要望することも可能になります。
一方、年金や医療などの社会保障費は、高齢化による自然増を4000億円と見込み、医療・介護現場の賃上げなどは年末の予算編成過程で加算します。各省庁の要求総額は4年連続で110兆円超となる見込みで、条件緩和によりさらに膨らむ可能性があります。
円安が進み、海外からの輸入に頼る日本では物価高が直結します。その原因は国の信頼低下にあり、バラマキや借金頼みの減税はさらに信頼を損ね、円安と物価高を悪化させます。必要なのは政府の規模を縮小することです。今後、給食や水道インフラなどで政府の支出を求める場合は、限られた財源の中で社会保障費と競い合い、必要性を勝ち取らなければなりません。
加藤財務相は経済・物価動向を踏まえた見直しと「メリハリある予算編成」を求め、石破首相も経済再生と財政健全化の両立を示しました。しかし積極財政でインフレと円安が進み、実質賃金や資産が減り国民は貧しくなっています。
長期金利は2022年以降、物価上昇やYCC撤廃で名目金利が上がり、2025年以降は関税や財政危機で実質金利が上昇しており、政権は長期金利に最大限注意する必要があります。
政府与党政策懇談会に出席する加藤勝信財務大臣と石破首相 首相官邸HPより