日本ボクシングコミッション(JBC)は、8月2日に東京・後楽園ホールで行われたボクシング興行で、試合後に急性硬膜下血腫を発症した2人のプロボクサーが相次いで死亡したと発表しました。
ライト級8回戦に出場した浦川大将選手(28歳、帝拳)は8回TKO負け後、意識が低下して救急搬送され、緊急開頭手術を受けましたが、9日夜に亡くなりました。また、同じ興行で行われた東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦では、挑戦者の神足茂利選手(28歳、M・T)が王者・波田大和選手(帝拳)と引き分けた後、医務室で意識を失い、救急搬送されて緊急手術を受けましたが、8日夜に死亡しました。
一般財団法人日本ボクシングコミッション 東京本部事務局が入居する後楽園ホールビル Wikipediaより
昨年2月に穴口一輝さんが2023年12月の日本バンタム級タイトル戦で判定負けした直後、急性硬膜下血腫を発症し、23歳で亡くなったばかりでした。
日本ボクシングコミッション(JBC)は、事故を受けて東洋太平洋タイトルマッチのラウンド数を12回から10回に短縮し、WBOアジアパシフィック戦も統一するなど方針を示していました。迅速な対応は評価されますが、リング禍多発の本質的原因解明には、複数要因を丁寧に検証する必要があります。
両選手とも試合前の体調に異常は確認されておらず、同一興行で2選手が頭部外傷により死亡するのは、国内では極めて異例の事態です。
https://twitter.com/ho110117/status/1954229977731539282
神足選手のお兄さんは、8月2日の興行で弟・神足茂利選手が試合後に頭痛と目の痛みを訴えたため救急搬送を求めましたが、要請や搬送に時間がかかり、病院到着時には重症でした。救護体制の不備と連携の遅さを批判し、JBCに迅速な対応を求めています。