スペイン・サンチェス首相と習近平国家主席
中国共産党新聞より
スペイン政府がファーウェイと契約
米国CIAは、スペイン政府が通信管理やデータ保存などを目的にファーウェイと契約したことに強い警戒心を抱いている。一方、スペイン政府は国家警察、治安警察、空軍、社会保障などを対象に契約したと説明し、セキュリティ上の問題はないとしている。
しかし、果たしてそうだろうか。スペインの諜報機関である中央情報局(CNI)ですら、この契約に危険性があると表明しているのだ。
それにもかかわらず、スペイン政府がファーウェイと契約した背景には、以下のような理由がある。
サンチェス氏が2018年に首相に就任した当初は米国との関係強化を図っていた。ところが、サンチェス政権は共産主義政党との連立政権であったため、米国政府は歩み寄りを拒否した。そこでサンチェス首相は方針を転換し、中国との関係強化に動いた。実際、サンチェス首相はすでに3回も中国を訪問している。
その結果、中国はスペインをEUに入り込む「玄関口」と見なすようになった。当初、中国はイタリアの五つ星運動が政権を握っていた時期に接近したが、政権交代で関係は途絶。ちょうどその頃、サンチェス首相が中国に接近したのである。
その成果として、中国の電気自動車メーカー・チェリー社は、バルセロナの日産撤退跡地への進出を予定している。さらに、複数の中国企業がスペイン進出を具体化している。こうした状況にあって、米国が警戒を強めても、サンチェス政権は今後も中国との関係を強化する方針とみられる。ファーウェイとの契約もその一環である。
しかし、米国から治安警察や国家警察に入ってくる機密情報が制限される可能性は十分にあり、両警察は政府の決定に内心不満を抱いているという。
国王フェリペ6世への敬意を欠くサンチェス首相
サンチェス首相の就任以降、王室との関係は極めて疎遠になっている。国王と立ち話をする際に、両手をポケットに入れたまま対応する姿が写真に収められ、公にされたこともあった。これは本来あってはならない行為である。
歴代首相は毎週1回、王宮を訪れて国王に報告してきた。しかしサンチェス首相は電話で済ませることが頻繁にあり、8月4日付「エル・デバテ」によれば、慣例なら322回行われるはずの国王との会見が、就任以来124回しか実施されていないという。
さらに、会見に遅刻することもしばしばあった。バレンシアで洪水被害が発生した際には、国王夫妻とともに被災地を視察したが、市民から罵声や泥を浴びせられると、サンチェス首相は「暴力を受けた」と偽ってその場を退散した。一方、国王夫妻は市民との接触を続け、両者の姿勢の違いは明白だった。この件でサンチェス首相は激怒し、国王と控室で激しく口論したとされ、公然の秘密となっている。
さらに、サンチェス首相を取り巻く27人がすでに汚職で起訴されているにもかかわらず、本人は辞任せず首相の座に居座っている。このような人物であるがゆえに、国王への数々の非礼も平然と行ってきたことは、多くの国民に知られている。