昨年9月、ジャーナリストの青木理氏はYouTube番組で自民党支持者を「劣等民族」と呼び、笑いながらやり取りしたことで批判を受け、地上波番組への出演自粛を表明していました。今回、約10か月ぶりにTBS「サンデーモーニング」に復帰し、番組冒頭で改めて謝罪しましたが、やり取りは短く、番組側からの踏み込んだ追及はありませんでした。
一方で、TBSや同番組はこれまで自民党や保守系政治家の失言については繰り返し厳しく報じ、長時間にわたって批判することも多くありました。それに比べると、青木氏やTBS自身に関わる不適切発言には非常に寛容な対応を見せた形です。
参照:自民支持者「劣等民族」発言を撤回 ジャーナリストの青木理氏、地上波テレビ出演を自粛 産経新聞
復帰した青木理氏 TBSサンデーモーニングより
緊張感がないせいか、青木氏を擁護するそのしぐさもかなり雑なものになっています。
発言の際は、立憲民主党の米山隆一議員が「極めて差別的で、リベラルの在り様ではない」と批判したように、リベラル陣営からの批判も高まりました。
しかし、TBSは青木氏の復帰を自然な流れとして扱い、過去の保守系失言報道との温度差が際立ちました。
青木氏の発言はなぜか一部のメディアでしか報じられませんでした。ふつうならばとっくに降板させられていた差別発言ですが、復帰もスムーズでした。
青木氏は人のことを批判するのは得意ですが批判されるのはとても苦手な方のようです。
これを放置してきた今までが異常でしたが復帰のスピードも異常でした。
もちろん問題発言は「劣等民族」発言だけなく枚挙にいとまがありません。
この対応は、「他陣営には厳しく、身内には甘い」というダブルスタンダードを印象付け、メディアの公平性への疑問を呼び起こす結果となりました。