2025年9月の国連総会を前に、フランス、イギリス、カナダに加え、オーストラリアやニュージーランドもパレスチナ国家の承認に動いています。これまで「最終地位交渉後に承認すべき」としてきた西側諸国の姿勢が、大きく転換しつつあります。その背景には、ガザ地区の人道危機や、イスラエルによる入植地拡大への国際的な懸念があると考えられます。
イギリスのスターマー首相は「条件付き承認」を掲げ、イスラエルが停戦や人道支援の再開に応じない場合、国家承認に踏み切ると表明しました。フランスのマクロン大統領も、非武装化されたパレスチナ国家の構想を支持し、9月の承認を明言しています。これらの動きは、象徴的な外交ジェスチャーにとどまらず、イスラエルへの圧力として機能する可能性があります。
では、日本はどうすべきでしょうか。日本はこれまで中東和平において「中立的立場」を維持し、パレスチナ自治政府への支援とイスラエルとの経済協力を両立させてきました。しかし、G7の一員として、また国際秩序の安定に責任を持つ立場として、今後の対応が問われる局面に差し掛かっています。
国家承認は単なる外交儀礼ではありません。それは、パレスチナ人の民族自決権を支持するという政治的意思表示であり、国際社会における日本の立ち位置を示すものでもあります。欧州諸国が動き出した今、日本が沈黙を続ければ、国際的な影響力の低下や中東諸国との信頼関係に影響を及ぼす恐れもあります。
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日本は、イスラエルとの関係を維持しつつも、パレスチナ国家承認に向けた議論を始めるべき時期に来ているといえます。外交的バランスを保ちながらも、人道と国際法の原則に基づいた判断が求められています。
スターマー首相インスタグラムより