石破茂首相(自民党総裁)は参院選で惨敗し、辞任圧力を受けていますが、続投の姿勢を崩していません。産経新聞によると、今月上旬には周囲に「俺はこの国を滅ぼしたくないんでね」「だったら(代わりの首相は)誰がいいの?」と語ったそうです。
秋の臨時国会で政治資金制度改革に取り組む考えを示していますが、党内での共感は広がっていません。
石破首相 首相官邸HPより
首相は「代わりは誰がいるのか」と不快感を示し、退陣の考えを持たず、参政党や国民民主党の躍進をポピュリズムと批判しているそうです。
また、日米関税合意を受けた国内対策や農政改革は自分にしかできないとの自負を持ち、消費税減税の是非を社会保障財源と絡めて議論する意向を示しています。
一方で、選挙で大敗し勝敗ラインを割り込んだにもかかわらず続投を表明する姿勢は、民主主義を軽視した暴挙であるとの指摘もあります。「俺はこの国を滅ぼしたくない」という首相の言葉とは裏腹に、その政治的判断能力に疑問が呈され、自己を過大評価する無能な指導者の典型とも批判されています。
過去には菅直人首相が勝敗ライン割れで厳しい追及を受けましたが、石破首相も同様に「与党過半数」と定めたラインを大きく下回りながら、自然災害対応を理由に続投を正当化しています。こうした対応は国民の審判を軽視し、辞任回避の口実と見られる可能性が高いです。
石破首相にはその人柄ゆえに「ここで退けば後で人がついてこなくなる」という説得があまり効果を持ちません。その意味で、表向きは派閥もなくなった以上、首相は周囲の意見に左右されにくい「無敵の人」と言えるかもしれません。
石破首相は「国を滅ぼしたくない」と語り続投を強調していますが、その姿勢は国民の信頼を損ない、むしろ民主主義の正当性を揺るがすものだとの批判が強まっています。