李在明大統領、反日から実利重視の姿勢は続くか?:異例の訪日が示す日韓接近

石破茂首相と来日した韓国の李在明大統領は23日、首相官邸で会談しました。特筆すべきは、韓国歴代大統領がまず訪米するのが慣例であるなか、対日強硬派と言われる李大統領が就任からわずか80日で米国より先に訪日したことが様々な憶測を呼んでいます。

李在明(イ・ジェミョン)大統領と石破首相 日韓首脳会談 首相官邸HPより)

李大統領は野党時代、日本を「敵性国家」と呼び、尹錫悦前大統領の対日友好姿勢を「屈辱外交」と批判してきた強硬な反日派でした。

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しかし大統領就任後は豹変し、協力路線へと舵を切りました。2015年の慰安婦合意や徴用工問題の解決策についても「簡単に覆すことはできない」と表明し、尹政権時代の対日合意を尊重する立場を示しています。

その変身ぶりは「風見鶏」と呼ばれた中曽根氏にも重なって見えるという指摘もあります。

会談では北朝鮮の非核化や日米韓の安全保障協力、米国の関税政策への対応などで一致しました。

水素やAIといった先端分野や少子高齢化などの社会課題でも協力を進めることを確認し、ワーキングホリデー制度の拡充で若者交流を促すことでも合意しました。石破首相が「戦争の反省」と述べ、歴代内閣の歴史認識を継承する姿勢を明確にしたことも、韓国側に「好意的に」受け止められているようです。

李政権の特徴は、内外でその姿勢を使い分けている点にあります。国内では尹前大統領夫妻の逮捕や労組重視の左派政策が目立つ一方、外交では日米重視の姿勢を示すダブルスタンダードを取っています。

こうした中で、日本にとっては李大統領の「反日」からの変身を一時的なものに終わらせず、継続させることが課題となります。李大統領の異例の早期訪日は、日韓が逆境下で接近する象徴的な出来事と記憶されるのでしょうか。それとも李大統領の支持率低下とともに「風見鶏」で終わってしまうのでしょうか。