バングラデシュで感じる「タイムスリップ感」

バングラデシュのダッカに不動産視察に来ています。日本より狭い国土に2億人近い人口を抱えるバングラデシュは、急速な経済成長を続けています。

写真は2年前に投資を行ったダッカのボシュンドラ地区のコンドミニアムからの直近の風景です。

前回の投資は為替レートによってマイナスの影響を受けましたが、現地通過ベースでは年率15%のリターンとなりました。これはバングラデシュの経済規模が拡大してインフレが進んでいることも大きな要因です。

今回の視察では物件視察の間にショッピングモールに出かけたり、2年前に開通したMRTに乗ったりしました。

ショッピングモールに出かけると、雑貨店には日本で40年位前にどこの家にもあったような、インテリアや食器などが販売されています。ちょっと垢抜けない感じが、とても懐かしい気分にさせてくれます。

またMRTはモノレールのような高架鉄道ですが、日系企業が技術提供していることもあり日本のメトロにそっくりです。PASMOのような回収式の切符を購入してホームドアの付いた最新鋭の鉄道に試乗することができました。

まだ開通したのは1路線の1部だけですが、今後ダッカ市内に急速に広がっていくと思われます。公共交通網が広がっていく様子もまた40年前の東京を見るようです。

ダッカに限らず成長するアジアの新興国の首都に出かけるといつも感じるのは、東京の昔によく似ていると言うことです。

人々の生活はまだ十分に豊かとは言えませんが、経済成長によって「今日より明日はきっと良くなる」と信じる人たちの明るい笑顔は高度経済成長期の日本人と全く同じです。

ダッカにいると何だか40年前の東京にタイムマシンでスリップした感覚になります。

もし、日本の40年前に戻れたら何に投資をするか?そう考えることで新興国のどこに投資すべきかが見えてきます。

ダッカにはたくさんの投資機会が眠っており、多くの日本人起業家が投資をしています。彼らに言わせると「バングラデシュにはお金が落ちている」そうです。

バングラデシュのダッカと聞くと、行ったこともないのに勝手なイメージを持つ人がいます。それよりも思い切って現地に行ってみる。そうすると、投資している日本人起業家のように日本では見えなかった世界が見えてきます。

3年後のバングラデシュがどう変わっているのか?投資案件が完成したらまたタイムマシンに乗って見に行きたいと思います。

MarkRubens/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。