初心者のための経済学:第7回「社会主義とは何か?」

自由主義研究所

こんにちは、自由主義研究所の藤丸です。

今回は「初心者のための経済学シリーズ」の第7回目「社会主義とは何か?」です。

このシリーズは、経済を考えるうえで、基本となるキーワードについて説明しています。

※アニメーションの動画も日本語テロップ&音声にしていますので、こちらもぜひ御覧ください。

アメリカの自由主義系シンクタンク「ミーゼス研究所」の動画シリーズが元となっています。

「社会主義」とは何か?

経済学は「人の行動」を研究する学問です。

経済学を用いることで、「資源の配分によって異なる結果を生み出す社会システムの仕組み」を理解できます。

「市場経済」では生産は、利益とイノベーションを追求する企業によって導かれます。

一方、「縁故主義経済」では、政府が介入して、市場の結果に影響を及ぼします。

そして、「統制経済」では、市場を完全に否定し、中央計画を重視します。

これが「社会主義」です。

社会主義では、中央計画者が、

「何を作るか、誰が作るか、誰が利益を得るか」

をコントロールします。

社会主義では、政府の中央計画者が経済を統制します

一方、市場経済では、「消費者に最も貢献した人」が報われます。

社会主義者は、すべての人のニーズが平等に満たされると約束します。

人々は、自分のお金を何に使うかを自分で選ぶのではなく、中央計画者が選んだ商品やサービスのみが提供されます。

一部の人々は、自分で考えて行動方針を選択し、中央計画を拒否するかもしれません。

そのため、社会主義国は政治的に「独裁」の傾向があります。

中央計画は、経済的な結果も深刻です。

たとえば「利益」は、イノベーションと効率性に報い、促進します。新しい製品を最初に開発したり、サービスをより安価に提供する方法を見つけた人は、資本をリスクにさらした対価として、利益を得るのです。

しかし、社会主義では、報酬が計画者に還元されるため、イノベーションのインセンティブがありません。

さらに、中央計画者は、自身の知識に基づいて計画しますが、それは、社会の集合的な知識よりも常に劣ります。

たとえば、ずっと変化なく時代遅れになる「百科事典」と、常に進化し続ける分散型の「ウィキペディア」の違いを考えてみてください。

市場はまた、独自の知識を生み出します。

それは、「価格」です。

鉄鋼のような多く資源には、多様な用途があります。そのため、価格は、特定の資源の用途が地域社会の最優先事項を満たすかどうかを示します。

工場で、ハンマーを生産するべきでしょうか?
それとも釘を生産すべきでしょうか?

市場経済では価格は、ある製品が他の製品よりも必要かどうかを示します。

統制経済では、政府は「経済計算」なしに、盲目的に決定を下します。そのため、「価格によって可能になる複雑な経済」は不可能になります。

「富の再分配」という社会主義の目標は、富がどのように創造されるかを理解していないという根本的な誤りを犯しています。

「イノベーション・貯蓄・生産」に報いない経済システムは、すべての人々の生活の質を低下させます。

今日の政治家は、経済のあらゆる部分の社会主義化を求めるほどには至りませんが、医療、交通、教育などの特定の分野では、社会主義化を主張する傾向があります。

市場と社会主義サービスが混在する「混合経済」は、純粋な社会主義経済よりは機能する可能性がありますが、それでも問題は存在します。

たとえば、真の社会主義の医療制度では、病床、医療機器、医薬品などの希少な資源の配分は、個人や家族、医師ではなく、政府の中央計画者が決定します。

社会主義の医療制度では、患者は費用を支払らう必要はないかもしれませんが、長い待ち時間、医薬品の不足、医療の配給制など、他の重大な障害に直面する可能性があります。

これらの問題は、「医療の自由の欠如」につながっています。

社会主義化した医療制度は、長い待ち時間を生み出します

経済学は、自由によって社会が豊かに繁栄する理由を説明しています。

社会主義の主張は、経済学に基づいているのではなく、平等への訴えに基づいています。

その結果、人々は平等に貧しくなることになるのです。

最後までお読みくださりありがとうございました♪

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編集部より:この記事は自由主義研究所のnote 2025年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は自由主義研究所のnoteをご覧ください。