中国政府は9月3日に北京で開催する「抗日戦争勝利80年」の記念行事に鳩山由紀夫元首相が出席すると発表しました。
日本政府とは無関係の立場とされますが、首相経験者の参加は中国のプロパガンダに利用される懸念が強く、当日予定される軍事パレードを含め、歴史問題を政治的に演出する場になる可能性が指摘されています。鳩山元首相は「どういう式典になるかは分からないが、日本も自らの考えを示す必要がある」と語った。」と語っています。
鳩山友紀夫(由紀夫)氏 Wikipediaより
鳩山氏の出席を巡っては国内から厳しい批判が相次いでいます。息子の鳩山紀一郎衆院議員は、式典への出席の取りやめを要請しました。
鳩山元首相は「日本の侵略は事実であり、日中関係を改善する必要がある」として出席に前向きな姿勢を示していますが、中国共産党は実際には抗日戦争を戦っておらず、国民党が戦った歴史的事実からも、毛沢東自身が式典に出席しなかったと鳩山元首相の歴史認識の思慮のなさが指摘されています。
また、元首相という立場での参加は国益を損なう恐れがあるうえ、過去に中共との関係で金銭的な問題を指摘された経緯もあり、信頼性への疑念も強まっています。
加えて、鳩山元首相は親露派の元首相としても国際的に利用されやすい存在であるとされています。
こうした中、中国政府は東シナ海での新たな構造物設置を「主権の範囲内」と正当化し、日本政府の抗議を退ける姿勢を見せており、日中関係は依然として厳しい局面にあります。
鳩山元首相の出席は、両国関係の文脈において政治的な意味合いを持つと同時に、日本の外交姿勢や国益に対する影響が改めて問われることになりそうです。それとともに日本の苦難はまだまだ続きそうです。