2日の米株式市場は、ダウ工業株30種平均が249ドル安の4万5295ドルと続落しました。トランプ政権の相互関税を違憲とする判決が財政不安を再燃させ、米長期金利が一時4.30%に上昇したことが要因です。英国やフランスでも国債利回りが上昇し、株式市場では割高感が意識され、とくにハイテク株が売られました。
欧米の債券市場では超長期金利の上昇が加速し、英国では30年債利回りが1998年以来の水準に、米国でも5%台に迫りました。英国ではスターマー首相による経済チーム再編が財政規律への疑念を招き、フランスでも内閣不信任の可能性が高まっています。
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米国では関税による財政改善シナリオが覆り、財政不安が一層強まりました。こうした動きは各国の政治混乱や財政赤字と結びつき、債券売りを誘発しています。
通常は利下げ局面で利回りは低下しますが、今回は逆に上昇しており、その背景には財政赤字と債務の拡大、インフレの高止まり、中央銀行への信頼低下があると言われています。
参照:あなたは世界的な債務危機を目撃している Geiger Capital
各国は利払い増加でさらに赤字を膨らませる悪循環に陥っており、政治的圧力により中央銀行が政府支援を優先する「財政優位」の状況も広がっています。先進国の財政は規模が大きすぎて持続可能性が失われつつあります。
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債券市場が政府に歳出削減を迫る可能性はあるものの、悪循環は長期化する懸念が強いです。日本を含む主要国での同時多発的な金利上昇は、次の世界的な経済ショックの引き金になる恐れがあります。