ボイスチャット/ゲーム配信で家族から怒られないための防音対策とは

皆さん、こんにちは。防音アドバイザーBudscene並木です。

ご存知の方もいらっしゃると思うのですが私、YouTubeでも動画を配信しています。
そこでよく耳にするのが、配信系YouTuberの皆さんからの「家族や同居人から声がうるさいと注意される」というお悩みです。

配信系YouTuberは夜間に発信するケースもあり、さらに発信側はリアクションが激しくなる傾向があります。ボイスチャットで熱中すると、つい大声になってしまう方も多いのではないでしょうか?

今回は、そういう時の対処方法・解決方法をお伝えしていきます。

Milan Markovic/iStock

迷惑にならないように周囲に配慮を!

自分の出す音が迷惑をかける相手先として、以下の2つが考えられます。

  1. 家の外(近隣の方達)に対して
  2. 家の中(同居の家族・同居人)に対して

今回はこの内の2番目、「家の中(同居の家族・同居人)」に対する防音対策に焦点を当てて解説していきます。

「防音室+間取り」で徹底対策

家族になるべく話し声が聞こえないようにするには、「防音室+間取り(部屋の位置)」の2本柱で徹底して音を防いでいく必要があります。

そのため、バドシーンでは新築一戸建ての予定がある方には、間取りを決める段階から相談を受け付けています。

新築設計時には、できるだけ活動部屋(自室など)とうるさくなると困る部屋(寝室など)を離して、距離を取るようにしましょう。
活動部屋と対象の部屋の間に、衣類や布団などの収納部屋を設けるのもおすすめです。物理的な距離も確保でき、さらに布団類の吸音効果も期待できます。

自分の出している声の大きさを把握しよう

話し声の大まかな音量目安を下記に示します。

  • 一般的な話し声 → 60dB(走行中の自動車程度)
  • 熱が入った時の話し声 → 70~80dB(パチンコ店、ボーリング場、セミの鳴き声程度)
  • 盛り上がっている時の話し声 → 100dB(電車が通るときのガード下での音量程度)

自分がどのくらいの音量を出しているのかを確実に知りたい場合は、スマートフォンの騒音計アプリをダウンロードすると測定できます。

詳しくは【スマホの騒音計アプリで防音対策!】をご参照ください。

熱中しすぎると、つい我を忘れて大声になってしまいます。

しかしその時間、家族はゆっくり寛ぎたかったり安眠したかったりするかもしれません。
音量を意識し、皆が快適に過ごせるように一緒に暮らす人への配慮も忘れないようにしましょう。

音量別対処法

さて、防音目標は「周囲に聞こえる音を20 dB以下にする」としましょう。このくらいであれば、ぐっすり眠っている人を起こすこともありません。

大きな声になるほど20 dBにするためには音を減衰させる必要があります。

従って声の大きさによって対処法も変わってきます。

一般的な話し声

一般的な話し声は60 dBほどです。
目標を達成するには40 dBぐらいの減衰を目指すことになります。

これには、ドアと壁の遮音性をアップさせるとよいでしょう。

ドア

音を聞こえにくくするには、ドアの気密性を上げることが効果的です。

遮音シートをビニールカーテンのような感じでドアの開口部に貼る方法がおすすめです。
ドアから廊下を通して回り込み隣の部屋に入る音を、かなり減衰できます。

詳しくはこちらで述べています。

【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る「ドアの防音性強化」】

どうぞご参照ください。

壁には遮音シートとグラスウールを貼ってください。

詳しくはこちらで述べています。

【壁の防音性能をDIYで上げる方法」】

どうぞご参照ください。

グラスウール(左) 石膏ボード(中央) 遮音シート(右)

熱が入った時の話し声

熱が入ったときの話し声は70~80 dBほどです。
目標を達成するには50~60 dBぐらいの減衰を目指すことになります。

そのため、間仕切りを強化する必要性が高くなります。

間仕切り

隣の部屋への間仕切り対策は、こちらの方法

【壁の防音性能をDIYで上げる方法】

を是非実施してください。うっすら聞こえる程度に音を減衰できます。

しかし、これまでの3つの対策「ドア+壁+間仕切り」で配慮しても、50 dBほどしか減衰できないはずです。

従って、この方法で周囲への音量を20 dBまで低くするには、声そのものを70 dBくらいまでに抑える必要があります。

声の音量を落とさずに、音漏れも防ぎたい人には次の「盛り上がっている時の話し声」への対策方法を推奨します。

盛り上がっている時の話し声

盛り上がっている時の話し声は100 dBほどです。
目標を達成するには80 dBぐらいの減衰を目指すことになります。

そのため、今までの内容+αの対策が必要になります。

具体的には次の方法が有効です。

  • 自分の部屋の中にさらに防音ブースを創る
  • 自分の部屋だけでなく、相手側の部屋のドアの遮音性も意識する
防音ブース

バドシーンの防音ブースでは、各周波数で表1のような性能を実現できます。

表1. 防音ブースの遮音性能

防音ブースの創り方についてはこちらで詳しく述べています。

【【10万円】完全解説!防音のプロがDIYで防音室を創る】

どうぞご参照ください。

相手側の部屋のドア

また、相手側の部屋にも遮音シートのカーテンを設置して気密性を上げると、さらに防音に有効です。

これら全ての環境を整えれば80 dB程度の防音性能が見込め、深夜の盛り上がりの音量100 dBに対しても目標20 dBを達成できるはずです。

まとめ

配信系YouTuberは家族や同居人への配慮が欠かせません。

リラックスタイムや深夜の安眠を妨害するようなことがあっては、妨害された方もそれにより注意を受けた方も、お互いに不満が出てしまうからです。

そうなる前に防音対策を万全にして問題を解決し、家族全員で快適な生活を送りましょう

私たちBudsceneは様々な防音情報を発信していますので、是非正しい知識を得て防音室創りの参考にしていただければと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。