バレエと美味に誘われて:京都と琵琶湖の優雅な夏旅

出口 里佐

出口里佐です。

8月初め、友人と京都バレエ団公演、アーティスト・スペシャル・ガラを観るために京都を訪れました。

ロームシアター京都での京都バレエ団公演
アーティスト・スペシャル・ガラの看板。

舞台の幕が上がる前から胸は高鳴り、目的はもちろん、今年3月にパリ・オペラ座を引退したマチュー・ガニオの踊り。流れるような身のこなしは、まさに「優雅」という言葉そのものでした。

カーテンコール。
左が、パリ・オペラ座を3月に引退したエトワールダンサー、マチュウ・ガニオ。

甘い寄り道から始まる京都散策

開演前に立ち寄ったのは「アトリエパージュ京都」。

アトリエパージュ京都、正面エントランス。地下鉄駅京都市役所前の真上。

左が、京都をテーマにした、クッキー缶。抹茶、白味噌、ゆず、八つ橋を京小麦で。
右はパージュという名前、伝統的な製法でさまざまなクッキーの詰め合わせ。

焼きたてのフィナンシェはバターの香りが広がり、ひと口で心までほどけるよう。京都とパリをテーマにした可愛らしいクッキー缶や、次回はぜひ味わいたいジェラートも魅力的です。

滝を望む特等席でいただく会席ランチ

ランチは、3か月前から予約して楽しみにしていた、リッツカールトン京都の日本料理「水暉」(みずき)で。

リッツカールトン京都、水暉 みずき(日本料理)

滝が流れる、中庭が見渡せる席で。

中庭を流れる滝を眺めながらいただく会席「紫泉」(税込9千円)は、真夏に涼を届けてくれるひとときでした。洗練されたお料理と、ホテルならではの上質な空間。思いがけず会員割引も適用されて、さらに幸せな気分に。

みずきのお料理。コースのなかの前半に登場。

バレエの余韻とオーストリア菓子の甘やかさ

公演を堪能した後は「エーデッガー・タックス」でティータイム。冷房の効いた店内でいただくクグロフは、バレエの余韻を柔らかく包み込んでくれるよう。お土産にはラベンダー蜂蜜を選び、旅の記憶を甘く残しました。

クグロフとハーブティーで、ティータイム

エッデーガー・タックス入り口

夕刻には祇園へ移動し、大丸京都店8階の「丸福珈琲店ザ・パーラー」で一息。昭和の喫茶店を思わせる鮮やかなメロンソーダは、旅の合間にふさわしい懐かしの一杯でした。

大丸京都八階、丸福珈琲店のメロンソーダ。

琵琶湖畔で迎える優雅な朝

琵琶湖ホテル、客室からの早朝の眺め。

窓側席での朝食は最高。

友人を四条烏丸で見送りした後に向かったのは、今回の宿泊先、全室レイクビューの「琵琶湖ホテル」。

トリュフと鮒ずし入りの絶品たまごサンド。トリュフの香りと発酵の旨味が素晴らしい。

朝、湖面をきらめかせる光を眺めながらの朝食は格別です。中でも驚いたのは「トリュフ卵サンド」。鮒ずしのご飯を隠し味に使っていると聞き、滋賀ならではの発酵文化を感じました。思わぬ食との出会いに、朝から心が満たされます。

ホテル売店で購入できる和紅茶は、リピートしているくらい美味しいです。

最近リノベーションした大浴場も魅力。ホテル売店では、滋賀県のお茶、特撰和紅茶「朝宮」(中川誠盛堂茶舗)が、おすすめ。

京都の夜を彩る夏の味わい

旅の締めくくりは、「祇園いわさ起」でのディナー。

祇園いわさ起の、この日のディナーコース(一部)。

北海道産の毛蟹に始まり、鮎、鱧、鰻の土鍋ご飯、デザートの果物に至るまで、最高の食材を使った卓越した技術による料理。季節ごとに変わるので、毎月訪問したいくらい、お気に入りのお店。予約必須です。

月替わりで移ろう季節を映す京料理は、夏の名残を慈しむような繊細さ。秋になれば、また新しい物語が紡がれることでしょう。予約必須の人気店なので、余裕を持って予約して訪れてください。

京都駅に到着。
夜空に映える京都タワー。

帰り道、祇園からは、「ぎおんよるバス」という便利な急行バスに揺られて京都駅へ。駅では、すぐきの漬物やちりめん山椒、生八つ橋といった定番のお土産を購入しました。賑わう観光地の喧騒をすり抜けながらも、静かな情緒と美味しい記憶を抱いた、京都の夏でした。