今年はプラザ合意から40年です。あれから始まった円高・株高・地価上昇の波は、あっという間に日本経済を飲み込み、それが崩壊したのは1990年。バブルと呼ばれた時期はたった5年間でしたが、その後遺症は続き、今も経済は低迷したままです。
ジュリアナ東京が開業したのは1991年5月(毎日新聞)
ところが国会でも自民党の総裁選でも、政治家はこの経済低迷の根本原因に手をつけず、現金給付や減税などのバラマキを競っています。経済を低迷させている構造問題が大きく、むずかしいからです。それはこの40年間に政治が何をし、何をしなかったかをみればわかります。
公共事業や現金給付などの財政バラマキで、政府債務は(GDP比で)世界最大になりました。金融政策も黒田総裁の量的緩和のおかげで日銀のバランスシートは世界最大になりました。しかし成長率は上がらず、実質賃金は下がり、今ごろインフレ・円安になっています。
では政治家は何をしなかったのか。何よりも超高齢化している日本で、社会保障改革にほとんど手をつけず、資産の7割を保有している高齢者に巨額の所得逆分配をしています。これが過剰貯蓄の原因となり、財政赤字(過剰債務)をもたらしています。
もう一つは労働市場です。終身雇用・年功序列の日本的雇用は崩れたといわれますが、いまだに大企業ではレイオフができず、それが新規採用や転職の制約になっています。これも小泉内閣のころから解雇の金銭解決を可能にする改革が提案されていますが、20年以上たっても実現しません。
この他にも多くの問題が積み残されていますが、総じていえるのは中高年の既得権を大事にする温情主義が改革をさまたげているということです。
今回のアゴラセミナーでは、1985年以降の日本経済の歴史を振り返り、政治がどこで間違えたのか、他の道はあったのか、そしていま何をすべきかを考えます。
講師:池田信夫(アゴラ研究所 所長)
特別ゲスト:デービッド・アトキンソン(小西美術工藝社 社長)10月31日
テーマ(例)
- プラザ合意:円高が失敗の始まり
- 不動産バブルはいつ崩壊したのか
- 不良債権処理はなぜ失敗したのか
- 金融危機の引き金は三洋証券の破綻だった
- ライブドア事件の本当の教訓
- 黒田日銀はリフレではなかった
- 「内部留保」は海外投資だった
- 働き方改革が賃金低下を招いた
- 「AI氷河期」がやってくる
など受講者のみなさんの要望に応じて決めます。
開催日:2025年10月3日から毎週金曜日(全12回)
10月3日・10日・17日・24日・31日
11月7日・14日・21日・28日
12月5日・12日・19日
時間:19:00~20:45
授業はすべてオンライン(Zoom)で行うので、全国の(あるいは海外の)みなさんも視聴できます。録画をあとからYouTubeで見ることもできます。
定員:無制限
受講者全員をアゴラサロンに無料でご招待します(受講期間中は無料)。
受講料
- 3ヶ月12回分:3万6000円(消費税込み)
- アゴラサロンの有料メンバー:2万7000円(同)
お申し込み方法:専用フォームに必要事項をご記入いただき、フォーム記載の弊社口座へのご入金をもって手続き完了です。
主催:株式会社アゴラ研究所