8月31日。子供たちにとっては夏休み最後の日ですが、名古屋の最高気温は40℃を記録。ついに大台に達しました。一昔前まではお盆を過ぎたら暑さも少し落ち着いたのですが、今は暑さは全く衰え知らず。彼岸になっても35℃以上を連日記録するようになりました。2、3年後には40℃なんて当たり前に聞くことになるんでしょう。たまりませんね。
涼しげに見えるけど40℃を記録した濃尾平野。
そんな記録的な暑さを記録した日、名古屋と肩を並べるほどに暑い岐阜県をドライブしていました。前回のブログでご紹介した「岐阜のマチュピチュ」の散歩を終えたあと、帰るにはまだ少し時間が早かったのでそこから車で1時間ほどのところにある場所へ涼を求めに行くことにしました。
その場所は、養老の滝。岐阜県最南部の養老町にある名滝です。行ったことはなくてもその名を聞いたことはあるという人は多いでしょう。居酒屋の名前として憶えている人も多いと思いますが、実在する滝です。
駐車場から滝までは徒歩5分と近いです。便利なんですがここまで車で登ってくるのはなかなかしんどい。結構細い道ですが、有名な滝なので観光客が多く結構すれ違い車両が多いです。運転に不慣れな人は無理をしない方がいいでしょう。
駐車場から階段を下ってしばらく行くと、ありました!養老の滝。高さ30m、幅4m。白い絹布が天から垂れているように美しく天空から地上に清水が落ちてきます。養老の滝が有名になったのはその美しさがゆえでもありますが、それ以上に「親孝行伝説」が全国に広まったから。
瀧の落ちる滝壺は浅いものの透明度は高い。
働き者の樵(きこり)が酒が好きな父親のために薪を作っては市場に出て売りに出るものの、容易に酒は買えず嘆いていました。家に帰る途中に立ち寄った養老の滝を見て「これが全部酒だったらなぁ」と考えながらひょうたんで滝壺の水をすくって飲んでみたところ、なんと水がお酒に変わっていました。その水を持ち帰り父親に飲ませたところ、病気がちだった父親がたちまち元気になった上に若返ったという伝説です。
この伝説を聞いた元正天皇は息子の親孝行ぶりにいたく感動し、親孝行を勧め労を養う姿勢を広めるべし、として元号を養老と改め、この樵を美濃国守に任命したというお話です。
滝からあふれるマイナスイオンを感じてリフレッシュしたような気分になります。滝を見に来た学生らしき人たちが「先輩、今俺彼女と別れてマイナスイオンいっぱい出てるんですよ」と言っていました。学生、きっとそれは「マイナスオーラ」だと思うぞ。
滝に流れ落ちた水はその後岩にぶつかりながら川を下っていきます。養老の滝の周辺の一帯は養老公園として整備されており、川沿いに散策することができます。灼熱地獄の最中ですが、滝や川の流れを眺めていると幾分涼しさが感じられます。
9月というのにまだまだ暑い日が続きます。みなさん体調を崩さないように気をつけてください。時にはこんな涼しい景色を見て、少しでも涼を感じることも必要だと思いました。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年9月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。