トランプ政権、米軍幹部を異例の一斉招集:大統領が軍幹部に忠誠を迫る演説

トランプ政権は米軍組織の掌握を一層強めようとしている。ヘグセス戦争庁長官とトランプ大統領は、世界中から米軍幹部を異例の形で一堂に集め、政治色の強い演説と軍改革の方針を示した。

参照リンク:トランプ大統領:軍は実力重視で国を守り、戦士の精神を再び呼び覚ます 戦争省

  • 異例の幹部招集
    ヘグセス戦争庁長官は、世界に展開する約800人の米軍将官・提督をバージニア州クアンティコ基地に突如招集。有事対応にリスクがあるほどの規模で、歴史的に異例の会合となった。
  • トランプ大統領の演説
    トランプ大統領は冒頭で「我々は長い間、実力主義から遠ざかっていた」と発言。軍幹部の忠誠を迫りつつ、「我々の敵は内部にいる」と強調。国境警備や戦争省のアイデンティティの確立を訴え、演説は選挙集会のような政治色を帯びた。
  • 人事と改革方針
    バイデン政権下で登用された黒人や女性のトップを更迭。実力主義を掲げ、DEI(多様性・公平性・包摂性)を否定。将官の「肥満」や外見を批判し、体力基準を男性基準に戻すとした。
  • 州兵活用と治安対策
    トランプ大統領は都市への州兵派遣を「訓練」として活用する意向を示し、「危険な都市は訓練場とすべき」と発言。州兵を国内治安に積極活用する方針を打ち出した。
  • 同盟国への要求
    ヘグセス戦争省長官は「真の軍事能力を備えた同盟国が必要」と述べ、日本を含む同盟国に防衛費増額を強く求める姿勢を示した。

今回の異例の幹部招集と演説は、米軍を忠誠と実力主義の下に再編しようとするトランプ政権の意思を鮮明にした。同時に、国内治安対策や「文化戦争」と結びついた政治的な要素が強く、軍の中立性を揺るがす動きとして波紋を広げている。

軍高官に対し演説するトランプ大統領 戦争省HPより