パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスが米国の和平計画を受け入れる姿勢を示し、イスラエルのネタニヤフ首相も支持を表明したことで、双方が正式合意すれば即時停戦の可能性が開けた。
ハマスが米国のガザ和平案を承諾した背景には、複雑な外交の駆け引きがある。トランプ大統領はイスラム主要国8カ国と協議し、イスラエルのネタニヤフ首相との会談で修正を加えた20項目の和平計画をまとめた。イスラム諸国の賛同やガザ住民の深刻な疲弊を背景に、ハマスは全面拒否が難しい状況に追い込まれていた。
- ハマスは3日の声明で、米国の和平案を受け入れると表明し、人質全員を解放する意向を示した。
- 計画には即時停戦、人質解放、イスラエル軍の段階的撤退、囚人釈放、ガザの非軍事化などが盛り込まれている。
- イスラム諸国はイスラエルの完全撤退と二国家解決を求めており、トランプ案との差異が課題として残る。
- ハマスは武装解除について明言しておらず、合意に至るかは依然不透明である。
- トランプ氏は期限を区切って合意を迫り、拒否すれば壊滅的な軍事行動を支持すると警告していた。
今回の声明は戦闘終結に向けた大きな一歩ではあるが、計画には依然として不確定要素が多い。ハマスにとって不利な条件も多く、交渉が長期化する可能性は残されている。和平の実現には、米国の強い圧力だけでなく、イスラム諸国や国際社会との調整が不可欠であり、単純な合意では解決できない現実が浮き彫りになった。
ネタニヤフ首相とトランプ大統領 同首相インスタグラムより