自民党の高市早苗総裁は、首相就任直後に経済対策を指示する方針を示した。物価高や円安が続く中で、どのような政策判断を行うかが注目されている。
- 高市総裁は「就任後すぐに経済対策を指示する」と明言し、臨時国会で補正予算案の成立を目指す考えを示した。
- ガソリン税・軽油引取税の暫定税率を廃止する法改正を検討し、成立までの間は補助金で価格を下げる方針。
- 中小企業支援や地方交付金の拡充を打ち出し、家計負担の軽減を最優先に掲げた。
- しかし、財政支出を拡大すれば円安と物価高が一段と進むおそれがある。
- インフレを抑えるには、財政を引き締めるか、金融を引き締めるしかないが、日銀はいまだ緩和姿勢を続けている。
- このままでは市場が金利上昇を織り込み、国債の利回りは1.7%台と金融危機以来の高水準に達している。
- 円と国債の信認が低下すれば、通貨安と債務膨張の悪循環が生まれる危険がある。
- 一方で金価格は年初来で50%以上上昇し、「通貨不安の避難先」として注目を集めている。
高市政権が掲げる「即効型の経済対策」は政治的には受けがよいが、経済的にはインフレと円安を助長するリスクを伴う。安倍政権の流れをくむ財政拡張路線を続ければ、日銀の金融緩和と相まって円の信認がさらに揺らぎかねない。真に物価を抑えるには、「2%のインフレ目標」を見直し、金融引き締めに転じる覚悟が必要となるだろう。
高市総裁(自民党)と植田総裁 日本銀行HPより