自民党の高市早苗総裁は、首相指名選挙で新首相に選ばれた場合、党内融和と挙党体制の構築を重視し、総裁選で戦った主要候補者を要職に登用する方針を固めた。その中で最も注目を集めているのが、小泉進次郎農相の防衛相起用案である。
- 高市総裁は臨時国会で首相に指名された場合、小泉進次郎農相を防衛相に、林芳正官房長官を総務相に起用する方向で調整している。
- 総裁選で競った候補者全員を重要ポストに登用する意向で、小林鷹之氏は政調会長、茂木敏充元幹事長は外相候補とされている。
- 小泉氏は防衛・安全保障への関心が強く、地元・横須賀は自衛隊や米軍基地を抱えるが、防衛分野での実務経験不足が指摘されている。
- 高市氏は挙党一致を演出する狙いで、総裁選上位者の処遇を重視している。特に小泉氏(2位)と林氏(3位)を重職に迎え、党内融和を図る。
- ただし、自民党は現在196議席で単独過半数に届かず、公明党の連立離脱後は、野党連携によって首相選出が不透明になる懸念も残る。
- 一方で、小泉陣営が総裁選中に他候補を中傷するようなコメント例を関係者に送付していた問題で、作成に関与したコンサル会社「ダイアログ」が謝罪し、牧島かれん元デジタル相の関与は否定された。
- 松田馨社長は「他候補をおとしめる意図はなかったが、不適切な表現が含まれていた」として役員報酬減額などの処分を発表した。
高市総裁は、総裁選の宿敵たちを主要ポストに迎え入れることで党の結束を図る一方、とくに小泉氏の防衛相起用には賛否が激しく分かれている。防衛・外交経験の乏しさと人気先行のイメージをどう払拭するかが、高市新政権の安定運営を左右する鍵となりそうだ。
小泉・林・高市各氏 自民党HPより