22日、米大統領選の予備選を戦った共和党の有力政治家であるロン・デサンティス現フロリダ州知事が、自身のX(旧Twitter)アカウントで、日本の高市早苗氏に関する米メディアの報道を批判した投稿が話題となっている。
“CNN is referring to the new PM of Japan as a “hardliner conservative” — this is a signaling phrase to its lefty readers that she is “icky.” In my book, CNN‘s opprobrium means she must be pretty good. Good luck to PM Takaichi!”
この投稿でデサンティス氏は、CNNが高市氏を「ハードライナー(強硬な保守派)」と形容したことに対し、これはリベラルな読者層に「高市首相=気に入らない存在」と印象付けるための「シグナリング(サイン)」に過ぎないと皮肉を交えて批判。さらに、「CNNに非難される人物であれば、むしろ信頼に足る」と述べ、高市首相にエールを送っている。
「hardliner conservative(強硬保守)」という言葉は、米国のリベラル系メディアが政治家や国のリーダーを否定的に報じる際に頻繁に使う表現であり、特に外交・安全保障、宗教、ジェンダー、家族観といったテーマで保守的な立場を取る人物に対してよく用いられる。CNNをはじめとする報道機関は、同様のトーンでハンガリーのオルバン首相やイタリアのメローニ首相なども報じてきた。
デサンティス氏は、こうした言葉選びが客観的な分析というよりは、「価値観による誘導」であると見ており、その延長線上での高市評を問題視していると見られる。
日本国内では、高市早苗首相は経済・外交・安保において保守的な立場を明確にする一方で、女性初の首相候補としてリベラルメディアでも注目されている人物だ。伝統的価値観を尊重する姿勢や、憲法改正への意欲、安全保障政策の強化などを訴える彼女の姿勢が、米国メディアからは「強硬」と映る可能性は高い。
デサンティス氏の発言は、日本の政治家に対する海外報道のあり方を問うと同時に、報道が持つ「価値の押し付け」を見抜く視点の必要性を浮き彫りにしている。米国の一部メディアが「強硬保守」と呼ぶその言葉の裏にある政治的意図とは何か。読者自身も問われている。
ディサンティス氏のツイートの日本語訳