東京カンテイの最新レポートで、東京23区の中古マンション平均希望売り出し価格(70㎡換算)が9月に前月比2.9%上昇し、1億1034万円。初めて「1.1億円」の大台を超え、上昇テンポも加速した。市場の過熱感と「億超え」の定着が一段と鮮明になった。
- 東京23区は9月、70㎡=1億1034万円(前月比+2.9%)。上昇は17カ月連続で、伸び率も8月(+2.3%)から再加速した。
- 首都圏平均は6,018万円(前月比+2.2%)で14カ月連続上昇。東京都全体も+2.4%の9,302万円と堅調を維持した。
- 報道各社も「中古の億ション化」を強調。TBSは23区の中古平均が「5カ月連続で1億円超」と伝え、9月の70㎡=1億1034万円、前月比約+3%と報じた。新築の高騰が中古にも波及しているという。
- 8月時点でも23区は1億721万円(前年同月比+38.3%)で4カ月連続の「1億円超」。9月の「1.1億円超え」で高止まり傾向が一段と強まった。
- 背景要因として、建設資材・人件費の高騰、新築価格の記録的高値、円安下の資産選好などが考えられる。価格高騰は新築から中古へ波及している。
9月の「70㎡=1.1億円超え」は象徴的な節目だ。上昇の連鎖(新築高騰→中古波及)が続く中、23区の中古は“億超えが普通”の局面に入った。一方で家計の取得負担は一段と重く、在庫・金利・為替動向が今後の価格持続性を占うカギとなる。
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